表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

【漫才】親ガチャ

作者: 結城トウジ

二人「はい、どうも~」


ツッコミ「最近さ~、若者の間で親ガチャって言葉が流行ってんだけど知ってる?」


ボケ「あ~、親ガチャね」


ツッコミ「なんだよ親ガチャって、親をガチャガチャに例えんなっつの。生まれただけで儲けもんだっつーの。そう思わない?」


ボケ「あっ、これ二人ともいいこと言ったね」


ツッコミ「俺だよ、言ったの。俺オンリー。お前なにも言ってねぇだろ」


ボケ「そもそもですよ、親がガチャガチャだったら子供なんか産めるわけないんですよ。無機物ですからね、なにせ」


ツッコミ「そういうこと言ってんじゃないの。例えだから」


ボケ「だいたい、親がガチャガチャだったらですよ? おじいちゃんおばあちゃんもガチャガチャだったのかっていうことですよ。じゃあもう爺ガチャですよ、そんなこと言ったら」


ツッコミ「わけわかんねぇこと言うな! なんかずれてんだよな、怒ってる方向が。そうじゃなくって親に感謝しろって話よ。ほら、親が産んでくれたからお前がいるわけじゃん」


ボケ「ね。SSRですよ。僕なんかは」


ツッコミ「ああ、そうなの? 裕福な親だったってことね」


ボケ「いや僕自身が」


ツッコミ「お前自身が? それ親ガチャじゃなくて子ガチャの話じゃん」


ボケ「はい。SSRの○○(ボケの名前)と申します」


ツッコミ「そんな自己紹介あるか」


ボケ「君なんかはあれでしょ? Bでしょ?」


ツッコミ「Bか~、まぁ高くもなく低くもなく、平均的なランクって感じ?」


ボケ「いや、ブサイクのBですよ」


ツッコミ「ふざけんな! ただの悪口じゃねぇか」


ボケ「でもあれですよ? 最高ランクですよ?」


ツッコミ「えっ? Bが最高ランクなの? おかしくない?」


ボケ「最高ランクのブサイクですよ」


ツッコミ「ブサイクじゃねぇか結局! なんだよ最高ランクのブサイクって。ただけなしてるだけじゃねぇか。だったらお前もBだろ」


ボケ「僕はSSRですから」


ツッコミ「なんとなくランク高そうなのはわかるけど、なんの略だよSSRって」


ボケ「そんなことも知らないの君は。SSRだから、そ・そ・る、ですよ」


ツッコミ「はぁ!? そそる? 意味わかんねぇ。それランクどのへんなんだよ、高いか低いかもわかんねぇぞ」


ボケ「そそるって言ったらもうかなり高いランクですよ、それは。なにせそそるわけですから」


ツッコミ「お前のどのへんにそそる要素があるわけ? まったくそそられませんけど?」


ボケ「たとえば僕が人通りの多い道で、裸で突っ立っているだけでみんなに見られますから」


ツッコミ「そりゃ見るだろ! 裸の奴いたら」


ボケ「もう立ってるだけでみんなの注目の的ですから」


ツッコミ「だから当たり前だっつーの! そそられて見てんじゃねぇの、それは。やべぇ奴いるって見てんの、それは」


ボケ「『君、ちょっとこっちに来て』って引っ張りだこですから」


ツッコミ「警官な! やべぇ奴を確保したのそれは。そそられてんじゃねぇのよ」


ボケ「たとえばラーメンを食べるときとかも、ものすごいすすりますから」



ツッコミ「あ? ラーメン? そりゃすするだろ、日本人なら。だからなんだよ」


ボケ「SSRですから」


ツッコミ「……あぁ、す・す・るがSSRなのか。だからなんだよ本当に」


ボケ「夏になったら蚊にたくさんSSRされますから」


ツッコミ「なに? なんだ蚊にSSRされるって。……刺されるって言え普通に!」


ボケ「ただ、今こうして僕が立っているあいだはSSRですけど、歩いてる姿はまた別のランクになるんですね」


ツッコミ「えっ? えっ? ランクが変わってくんの? 歩くと?」


ボケ「僕が歩くとですね、ランクがURに変わるんですね」


ツッコミ「URぅ? なんだよURって。 なんの略だよ」


ボケ「そんなことも知らないの君は。URだから、う・る・わしいの略ですよ」


ツッコミ「はぁ!? 麗しい!? お前のどこに麗しい要素あんだよ! ただのブサイクじゃねぇか!」


ボケ「あっ! そうやってね、人の容姿を貶めるのは今のご時世御法度ですよ!」


ツッコミ「お前が最初に言いだしたんだろ!」


ボケ「そういうこと言うとエンジョイしますよ! 君のインスタ!」


ツッコミ「炎上な。なんだエンジョイって。楽しんでるじゃねぇか。俺インスタやってねぇし」


ボケ「僕は歩くとランクがURになるんですよ」


ツッコミ「あぁ、そうなの」


ボケ「だからあれですよ。立てばSSR、座ればB、歩く姿はUR、ですよ」


ツッコミ「えぇ? なに? 立てばSSR、座ればB? なんだ座ればBって。なんで座ってるときだけブサイクなんだよ。ずっとブサイクだろお前は」


ボケ「君ももちろん、ランクが変わってきますよ。今はBですけど、座ったときと歩くときは変わってきますからランクが」


ツッコミ「今ブサイクって言われてんのもあんま納得してねぇんだけど」


ボケ「君の場合は、立てばB、座ればS、歩く姿はYR、ですよ」


ツッコミ「えぇ? 立てばB、座ればS? Sって一番上のランクじゃないの? で歩く姿がYR? なんだよYRって、なんの略だよ」


ボケ「だから立てばブサイク、座ればすごいブサイク、歩く姿はやっぱりブサイクですよ」


ツッコミ「全部ブサイクじゃねぇか! いいかげんにしろ」


二人「どうも、ありがとうございました~」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ