表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/51

アリビオは、紫央をベッドに下ろすとコップに水を注いでくれた。



「ありがとうございます」




「今夜から、俺の部屋の真向かいに移ってきませんか?」


「え...?」


急に何??


「俺の部屋の真向かいはゲストルームになってるんです。部屋に冷蔵庫もお手洗いもあります。俺らの部屋にないキッチンもありますよ」


紫央の目が輝く。

「冷蔵庫??そっちに移ります!」

キッチンはどうでもいいけど、りんごを冷蔵庫に入れたい。


アリビオが笑顔になった。


「ゲストルームは、10部屋ありますが、俺の部屋の真向かいが一番設備が充実していると思います」

「移りたいです!」


「少し落ち着いたら、移動しましょう。迎えにきます。これで今回みたいなことは起こらないですよ。部屋が向かいなら直接確認できますからね」





紫央は、手荷物をまとめてアビリオの部屋の真向かいに移った。



ゲストルームは、広くて綺麗に整えられている。

寝室とリビングルームが別になっているし、窓も大きい。


さっきまでいた部屋が使用人部屋に見える....


イメージとしては、ホテルのスイートルームのような雰囲気だと紫央は思った。_と言っても映像で見ただけで実際に泊まったことはないので、紫央の想像だが...


応接間とか無駄に広い....ここのソファ、足を伸ばして眠れそうだわ。


さきほど冷蔵庫って単語が出てきたことを思い出す。


どれかな。

ゲストルームにはキッチンも完備してあると聞いたので覗いてみる。


リビングルームの奥にキッチンがある。


ショールームみたい...


シンクなんて、ピカピカだし。コンロっぽいものもある。


え、新品なのかな?


使ってみたいけど料理苦手だし、そもそも食材りんごしかない。


ん〜せっかくだから、もう少し水を飲もうかな。


紫央はキッチンに設置してある棚からグラスを出す。

レバーを下げると冷たい水が出てくる。


あ....

「ここも、レバーが扉になっている」


冷たい浄水のある場所と繋いでいるようだった。


授かった加護のせいか、紫央にも扉を(つな)ぐ能力が備わっているので、触れるとどれが扉になっているかわかる。




紫央は、部屋から持ってきた(かじ)りかけのりんごを冷蔵庫に入れることにした。


両開きの冷蔵庫はクローゼットのように大きい。

扉を開けると一気に冷気が流れてくる。


この冷蔵庫もどうやら空間を繋げて冷やしているようだった。


「この冷蔵庫に、りんごたった一個...」


アイスバケットを開けると、氷がたくさんできているのを見て、アイススコップで取り出し、水の入っているグラスに入れる。


冷たくて美味しい。


しっかり入浴した後は、この冷たい水が五臓六腑にしみわたって最高…



紫央は、ベッドに入った。


ゲスト用はベッドのサイズも大きい。


ブランケットを被って、ベッドサイドのランプのスイッチを切ったら、連動して部屋の全ての明かりが消えた。


ここはゲストルームだと言っていたけど、この部屋にゲストだけで泊まっても、水も冷蔵庫もトイレも使えないはず....扉を(つな)げるのは神力を持つ者だけだったよね。


使者が一緒に泊まってお世話するのかな?だからアリビオさんの部屋の前がゲストルームなのかな...



紫央は5分ほどいろいろ考えながら天井を見ていたが、気付かない間に眠っていた。













評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ