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「班、離れちゃったね。」


「また一緒になる方が珍しいでしょ。2ヶ月も隣だったんだし。」


相変わらずの反応だなぁ。しかも心の底からそう思ってるし……

私は聞こえないように、小さくため息をついた。


「あっ、でも、校外学習は楽しみだよね!

国会議事堂に入れるの、生きてる内で最初で最後かもしれないし。」


「教室では、そんなに楽しみにしてる感じじゃなかったけど。」


「それは……まぁね。」


無田君、鋭いなぁ。

だって私って、行事とかではしゃぐタイプだと思われてないし。


印象を崩すのも……ね。


「無田君はどうなの?楽しみじゃないの?」


何気なく聞いた一言だったんだけど、一瞬彼の表情が曇ったような気がした。

でも、次の瞬間には、いつもの無表情……気のせいかな?


「別に……国会、行ったことあるし。」


「えっ!?」


「父さん、国会議員なんだ。」


「えーっ!?」


国会議員の息子さんだったんですか!?

あれ、そういえば……


「今年、いつもと行程を変えて、議員さんが食事するところでお昼食べるって言ってたけど、もしかして……」


「多分、うちの父親が理由だと思うよ。」


「ほぇー。」


私って驚きすぎると、こんな変な声が出るんだ……新しい自分発見だ。

だってさ、国会議員だよ!選挙に出てるんだよ!!法律とか決めちゃうんだよ!!!


そこからは質問攻め。

「いつからなの?」とか、「衆参どっちの議員さんなの?」とか、「なんで国会に行ったことあるの?」とか。


後から思えば無田君、ちょっと嫌そうな顔をしてたような気がするけど、その時の私はそれどころじゃなかった。



「じゃあさ、国会の中、色々教えてよ。見学する時は出席番号順だから、きっと隣同士だし。」


無言……何か考えてるのかな?

でも、心の声は聞こえないし……聞いてなかったとか?


私がもう一度同じことをお願いしようと口を開きかけたその時……


「そんなに教えられることはないと思うけど……いいよ。」


絶対に渋々だけど、了承してくれた。

『やった!』と心の中でガッツポーズをしながら、青々とした桜の葉の下を、軽い足取りで進んで行った。





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