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私の家から更に10分ほど歩いたところに、市営の図書館がある。学校の近くにもう一つ図書館があるので、こっちを使う人はほとんどいない。


私が入口のベンチでくつろいでいると、2人の男の子がこっちに向かってくる……2人!?


「こんにちは。」


「おっす!凛花、早いね!」


「こんにちは。私もさっき着いたばっかりだよ。」


将斗君の登場に驚く私を見て、

『月斗、俺がいること言ってなかっただろ!』

と無田君をにらみつける。

でも、無田君はどこ吹く風で、「暑いから早く入ろう。」とさっさと入場手続き。


「なんか……ごめん。」


「いやいや、2人より3人でやった方が早く終わるだろうし、大歓迎だよ!」


「それならよかった。月斗行っちゃったし、俺達も早く行こう!」


表情が一気に晴れやかになった彼に、私も笑顔を向ける。


今日は大変な日になりそうだ。





「将斗君、また間違ってるよ。」


「将斗、集中しろよ。」


明らかに集中力を欠いた将斗君に声をかける。

それもそのはず、彼の心の声はというと……


『凛花、今日もかわいいなぁ。』


『凛花に勉強教えてもらえるなんて、幸せすぎる。』


『凛花って好きな人いるのかな?もしかして付き合ってる人とかいる?そしたら落ち込むわ……』


と、ずっとこんな感じ。一生懸命態度には出さないようにしてるけど、そわそわしてるの丸わかりだよ……


将斗君は、4年生くらいからずっと私に想いを寄せてくれてる。

好きって思ってくれることは嬉しい。

でも、友達としては好きだけど、恋愛目線では見れなくて……

どうすればいいか分からなかったから、今まで距離をとってきたんだけど……



「やっと終わったー!!」


3時間かけてようやく目標達成。

ほとんど将斗君に教えてたような気がするけど。


無田君に理科のこと、もっと聞きたかったんだけどなぁ。なんて思っていたら、急に無田君が立ち上がる。


「トイレ行ってくる。」


そして残された私と将斗君。

無田君と2人きりの時とは違う、気まずい沈黙が流れる。


『言わなきゃ、言わなきゃ、言わなきゃ……』


何を言われるの?


心の声にビクビクしながら、ついに耐えきれなくなった私が席を立とうとしたと同時に、将斗君が口を開いた。





「それじゃあ、凛花、月斗、またなー。」


「うん、またね。」「またなー。」


将斗君はこれからサッカーの習い事があるということで、自転車で足早に去っていった。


私達は、いつもと同じように並木道を歩き出す。


「どうするの?お祭り、将斗と一緒に行くの?」


「えっと……どこまで知ってるのかな?」


「全部。」


今回の勉強会、主催はやっぱり将斗君だったらしい。


私も聞かなかったのが悪いけど……

無田君に誘われた時、結構嬉しかったんだけどなぁ……


ちなみに夏祭りというのは、8月の上旬に、この並木道で行われる大きなお祭りのこと。

うちの学校の子達は、ほとんど全員参加するので、そこに男女2人でくり出すということは……まぁ、そういうことだ。



「それでどうするの?将斗の気持ち、知ってるんでしょ?」


こんなに聞いてくるってことは、将斗君からの依頼なんだろうけど……

今回の件については、彼にあんまり話したくなくて、




「わかんない。」




と一言返すだけだった。





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