13
今日で1学期も終わり。
長いなぁと思う時もあったけど、これで6年生の3分の1が終わったって考えると、やっぱり短かったように感じる。
終業式の日は、1学期の始業式と同じくらいみんなの心が荒れる日。なぜなら……
『うわー、成績下がった!!塾だー!!』
『思いの外よかったな。夏休みは自由に過ごせそうだ。』
という感じ。通知表だ。
私はというと、成績自体は大丈夫なんだけど……
「東堂さん、成績どうだった?ちょっと見せてよ。」
あぁ、やっぱり……
今年は受験で頭がいっぱいなようで、今まで目立って絡んでくることはなかったんだけど、成績は別みたい……
このちょっと高圧的な女の子は朝田美月さん。1年生の頃からずっとクラスが一緒で、イケイケ女子達のリーダー。
正直この子のことは、あんまり得意じゃない。だって……
私の通知表を半ば強引に奪い取る。そして、眉をひそめる。
『先生にとりいってるだけあって、相変わらずいい成績だこと。むかつくわ。』
いつもこんな感じ……
「ふーん、まぁまぁね。」と呟き、私の机に通知表を放り投げる。
今のやりとりを先生に伝えればきっと対応してもらえると思うけど、どう考えても後が怖いし……いつも何かされているわけではないのでスルーする。
女子の人間関係は、小学校でも大変なのだ。
「何かあった?」
あれ以来、無田君から話しかけてくれることが増えた。
まぁ、それでも会話は相変わらず長続きしないんだけど、私的には結構嬉しい。
ただ、今回の件については、彼に話しても仕方がなさそうなので、「何でもないよ。」と伝えると、「そっか。」であっけなく会話は終了した。
梅雨が明け、いつもの桜並木はセミ達のコンサート会場と化している。
セミは苦手なので、いつもより中央を歩く。
「そういえば無田君、成績はどうだった?」
他の子達のは興味がない……というか、勝手に頭に入ってくるんだけど、無田君の情報は全く入ってこないからなぁ。良いのか悪いのかすら分からない。
「別に普通だけど……はい。」
手提げからおもむろに通知表を取り出すと、私に渡してくる。私も自身の通知表を彼に手渡す。
「……私よりいいじゃん。」
「いや、変わらないでしょ。」
いや、変わるよ!!
2つも「よくできる」が多いじゃない!!
できそうなオーラは漂ってたけど、これほどとは……
「私さ、理科がいまいちなんだよね。人間の体とか、特に苦手……」
「東堂さんの体、人体模型と同じ作りだよ。」
「知ってるよ!!」
ちょっと癪にさわる正論にツッコミを入れる。同時に、こんな会話もできるようになったんだなと感動。
通知表をしまうと、また歩みを進める。
もうすぐ無田君の家だ。
夏休み中はほとんど会えないだろうし、ちょっとさみしいな、なんて思ってたら……
「ねぇ……夏休み、勉強会しない?」
「えっ!?」
無田君の提案に、セミの鳴き声に負けないくらいの声で驚く私。
だって、無田君が、私を??
今年の夏休みは、どうやら何かありそうだ。




