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追放された聖女はイケメンと結婚し幸せに暮らしました。

作者: 柳田健二

私は聖女だった

何に対しても肯定し

誰に対しても優しく

求められるものには何にでも応えるようにしてきた


ある時私は不治の病に侵され営みの最中に相手が死んでしまうという事故がおきてしまった

私は彼らを弔い、これ以上被害が出ぬよう営みを停止することを決断した


しかし、それは民の期待を裏切ることと同義

私は当然非難の声を浴びた


さらにそれだけじゃなく

今まで許してきた人達がまた罪を犯し

被害が拡大した事で民の蓄積された不満が爆発


何でもかんでも許す私に

人々はついに怒りをぶつけ


私は聖女を追放された


聖女という肩書きがなくなった事で

私はただの女となり、当てもなくいろんな土地を放浪していた


そんなある日、私は偶然

怪我で倒れている異国の兵士と出会い

私は彼を介抱した


程なくして元気を取り戻した彼は

自らをイケメンと名乗り私に求婚を迫ってきた


私は元聖女という気概もあり

即OKしてしまった


今思えばそれは本当に正しかったのか

疑問に思うが


その時の私はまだ聖女としての

人格が抜けきれずにいたのだ


私は彼に連れられ異国で暮らすようになった


豪華な食事、綺麗な景色、広いベッド

何不自由なく生活できて私は幸せを感じると共に

不安もどこかにあった


私のような取るに足らない存在が

こんな幸せを掴んでいいのだろうかと……


イケメンは私に尽くしてくれた

役に立たない私を、営みさえできない私のことをまるで聖女のように接してくれた


なぜなのだろう?私のような役立たずをここまで尊重してくれるのは……


私は意を決して彼に尋ねてみた


「あの、なぜ私のような人間に

そこまで尽くしてくれるのですか?」


「私みたいに役に立たない女など

邪魔でございましょう……」


するとイケメンは優しく微笑み

こう返してきた


「いいえ、貴女がいるから私は

生きてゆけるのです、貴女の存在こそが

私の全てなのです」


「求めるものなど何もありません

そばに居てくれればそれで……」


それを聞いて私は耳が熱くなるのを感じた

私は……私はここまで人に大切にされた事があっただろうか


いつも私は大切にする側だったのに

いつの間にか私は大切にされる側に立っていた……


私はここでようやく悟った

彼は私にとっての聖女なのだと……


私は彼を大事にしていこうとそう決心した

これからも末長く幸せに暮らしていきたいと

心の底からそう願ったのだーーー


We got married



追放された聖女はイケメンと結婚し幸せに暮らしました(完)

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