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39.ルカの覚悟1

この季節はいつも大事なイベントがある。

クレアのお誕生日だ!!

今年のプレゼントはどうしよう。

クレアに喜んでもらいたくて悩み過ぎて決まらない!


「うーん」


自分の部屋のソファーに座り、目を閉じて顎に手を添えて考えている。


「僕のクレアだって意味を込めてアクセサリーを渡したいとも思うんだけど……」


「いいんじゃない?」


パチッと目を開いて声の主を見る。


「あれ?ルイ!いつからいたの?」


「何回もノックしたよ」


「ごめん。気づかなかったよ」


僕はカァッと赤くなった。


「フフフ。ルカがいつも悩む時期だよね。アクセサリーって何を?」


ルイはポスンッと僕の隣に座る。


「ネックレスとか…。でも友達からそんなの渡されても困るよね」


僕はコテンとルイの肩に頭を乗せる。


「ルカなら大丈夫だと思うよ。それにアクセサリーって女の子が好きなものでしょ?」


「女の子が好きなもの……」


クレアに似合いそうなものを探して王都のアクセサリーショップを覗いた時に、綺麗なネックレスを見つけたんだよね。

クレアの好きな青い色のネックレス。

あと、僕の独占欲を示してるんだけど…。


「デートでもしてくれば?」


僕はバッとルイの肩から頭を離して大声を出す!


「デート!?」


ルイは耳を手で押さえて僕を見る。


「そ、そんなに驚かなくていいでしょ。授業サボってデートしたんでしょ?」


「それとはちょっと違うような……」


このあいだのは幼馴染み同士で遊びに行ったようなものだし。

僕はデートみたいだなって思ったけど。


「僕だってシェイラとデートしてるよ。クレアの誕生日当日は学園も休みでアリストロ家でパーティーだけど、前日も学園は休みだしデートしたら?」


「デート……」


前世でもデートなんてしたことないのに。

というか、付き合った人もいない……。

アイドルになる前は奥手過ぎて、アイドルになってからは忙し過ぎて恋愛どころではなかった。


そんな僕にクレアをデートに誘うなんてできるの!?


「でもクレアはデートなんてしたくないんじゃ……?」


クッションを抱えて落ち込む。


「そんなことないと思うよ。……僕達は幼馴染だし!」


「そ、そうだよね!幼馴染み!」


クッションから頭を上げてルイを見る。

友達より近いところにいるよね?


「それに、子供の頃にダブルデートだってしたでしょ?」


「う、うん。でもデートってどこに行くの?前世なら水族館とか映画館とかテーマパークとかいろいろあるけどさ」


「そうだね。僕達の年齢で行けるところだから近場かな。でもクレアはどこでも喜んでくれると思うよ」


「う、うん」


「まずは誘うところから頑張ってね!」


ポンと僕の肩を叩いて部屋を出て行った。


僕はクッションを抱えたままソファーにコテンと横になり、ポツリと呟く。


「ドキドキする……」


クレアがデートの誘いを受けてくれたら僕は…。

ある決心をした。



翌日はルイが気を効かせてくれて学園に登校するときの馬車はクレアとふたりにしてくれた。

ルイはシェイラとアリストロ伯爵家の馬車に乗っている。

でも僕はまだなにも言えていない。


「………………」


「ルカ?どうしたの?」


今日も可愛いクレアが僕をじっと見ている。

うっ!そんなに見つめられると何も言えなくなる!!

けど、学園にはすぐに着いちゃうから今しかない!!


「あのさ、クレア……その……」


「な、なに?」


僕がクレアを見ながら顔が赤くなるから、クレアも赤くなっている。


「そ、その……」


「う、うん」


「今度の……、今度の……ち、ちょっと待って!」


フーッと息を整える。

ドキドキがヤバい!!

デートに誘うって皆どうしてるの!?

難しい!!


馬車の揺れが止まった!

もう着いちゃったの!?

まだ誘えていないよ!!


「クレア!ちょっとこのままで聞いていてね!」


「う、うん……」


勇気を出せー!!

緊張だってしなかった元アイドルなんだ!!

ドーム公演もあったし!!

たくさんのファンの皆の前で歌って踊ってたんだ!


シーンとする馬車の中に真っ赤な顔のふたり。

僕は意を決してクレアの大きな瞳を見つめる!


「僕とデートしていただけませんか?クレア」


言えた!

どうか……僕の手に……。

願いを込めて手を差し出す。


「……はい」


それはとても小さなクレアの声。

そして、そっと僕の手に小さな手を乗せてくれた。


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