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21.真璃愛の愛1

オペラの公演会も終わり、ゆっくりできると思ったら僕達がピアノ演奏をしたことで少し騒がしくなった。

ふたりでの演奏会をしてほしい、話を聞かせてほしいとか。

でもやっと落ち着いてきた。


季節は夏に移り変わり、日差しが眩しい日々が続いている。

でも前世ほど、気温が高くならないので過ごしやすい。


僕とルイは毎日の朝の日課であるランニングをしていた。

王都の広くて大きな公園に着いたところで玲お兄ちゃんを見つけた!


「玲お兄ちゃん!おはよう!」

「玲お兄ちゃん!おはよう!」


「おはよう。琉生、琉翔!」


「朝のランニングで会うなんて珍しいね。玲お兄ちゃんはいつももっと早い時間でしょ?」


「今日は休みだから少し遅い時間に出て、ゆっくり走ってたんだ」


いつもよりラフな姿の玲お兄ちゃんでも格好いい!!

しっかりしてて、頼りがいのある憧れのお兄ちゃんだ。

朝から会えるなんて嬉しいな!


「今度、時間がある時にイチオシ堂に来てくれないかな?」


「え!いつでも大丈夫だよ!ね、ルイ」


「もちろんだよ。どうしたの?」


「イチオシ堂の隣にあった空き店舗をうちで買い取って改装してたんだけど、もうすぐ甘味処としてオープンするんだ」


「ああ、工事中だった所だね」


「試食会したいから協力してくれないかな。感想を聞かせてほしいんだ。シェイラ様や、クレア様も一緒にね」


ニコリと微笑む玲お兄ちゃん。

僕達の気持ちはお見通しだ。


「私の弟も誘ったんだけど、断られてね」


「玲お兄ちゃんの弟さん!」


「イチオシ堂でも会ったことないね」


「琉生と琉翔と同い年だから、学園で会うと思うよ」


「そっか!楽しみだね」


「じゃあ、皆の予定を聞いてからまた連絡するよ、玲お兄ちゃん」


そして、クレアとシェイラにも確認して4人で行くことになり、後日『甘味処イチオシ堂』に向かった。


ガラリッ!


「玲お兄ちゃーん!来たよー!」


あと、真璃愛も。


「皆、今日は来てくれてありがとう。メニューを見て気になるものを教えてね」


メリアーナ様!今日も和服が似合う!


「……ところで、何でこの組み合わせで座るの?」


僕は隣にいる真璃愛をジロリと睨む。


『クレア・僕・真璃愛』

『シェイラ・ルイ』


皆同じテーブルで、僕の隣にクレアはいい。

でも真璃愛も僕の隣に座ったうえに、妙に近い。

向かいのソファーにはシェイラとルイだ。


「いいじゃない!別に!ねぇ、クレア様!」


「は、はい」


クレアに同意を求める真璃愛。

笑ってるけど目が怖い!

真璃愛の勢いが強くてクレアがビクビクしてるよ。


「ところでさぁ、琉翔!このお店の内装、お洒落だけどすっごく『和』じゃない?なんか、撮影のセットみたい!」


「あー!分かる!」


「だよねー!」


「僕もちょっと思ってたんだよね!特にあの辺りは今にも侍とかが『御免!』とか言って入って来そうじゃない?ルイもそうおも……」


ハッと気づくと目の前にいるルイが僕と真璃愛を冷たい目で見ている。

やってしまった!!

クレアとシェイラの分からない話をした!


「あ、あー、デザート!何にする?クレア!」


クレアを見るとメニューを見て首を傾げている。


「クレア、何か分からないものがある?」


「『あんみつ』ってどういうのかな?」


「あー、それは…何て言えばいいかな?寒天がツルツルで?あんこが甘くて?」


いざ、説明するとなると難しいな。


「美味しいわよ」


真璃愛が僕にグイッと近づいて、クレアを見ながら説明というか、味の感想を伝える。


「え…」


「クリームあんみつだから甘くて美味しいわよ」


目が怖いんだってば!!

何でそんなに睨むように見てるの!?


「ねー!琉翔!」


「美味しいけど、もうちょっと説明が……」


「これにします!」


クレアが俯きながらちょっと大きな声を出した。

普段大人しいから少し驚く。


「いいの?」


コクンと頷くクレア。

じゃあ僕はクレアが食べられなかった時の為に、クレアでも食べられそうなものにしよう。

あ、抹茶とバニラのアイスクリーム!

抹茶だけだと苦くて無理かもしれないけど、バニラと一緒なら大丈夫じゃないかな?

そこで、ふと思った。


「え、抹茶…?」


「思った!!抹茶なんてどうやって手に入れたの!?って思うよね!!流石玲お兄ちゃんだよね!!」


「ほんとほんと!!久しぶりだよー!抹茶なんて!ちょっと玲お兄ちゃんに聞いてみようよ!僕大好きなん…だ……」


またルイが僕と真璃愛を睨んでるー!!

やってしまった!!


「……」


真璃愛がいると調子狂うな。

いつも以上に前世の琉翔になってしまう。


「バカだな本当に…」


ルイがポツリと呟いた。


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