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共通テスト数学ディザスター。

作者: あずき


令和4年共通テストを受けてきた。


ここに、私の人生で最も短く、けれども最も濃い時間だった2日間を記しておこうと思う。




1日目。


朝、目が覚めると実感した。


遂にこの日が来てしまったと。



私は試験会場に自転車で行くつもりだった。


しかし、なんということだろう。


自転車がパンクしてしまっていたのだ。



最悪だと思った。


本当にこんなハプニングが起こるものなのかと。



私は切り替えて、徒歩で向かうことにした。



途中で友達と会い、一緒に会場まで向かった。




試験会場に着き、試験室に入室した。



部屋の中は思っていたほど寒くも暑くもなく、ちょうど良い室温だった。



しかし、私の足は震えていた。


それも止まる気配がない。


内腿に力がはいりすぎてプルプル震えて、痛い。



極度に緊張していたからだと思う。


だから試験が始まったら緊張も解け、震えも収まると思っていた。



───1教科目



地歴公民。



試験が始まっても震えが止まらなかった。



テストについて欲を言えば、もう少し知識問題を増やして欲しかったなと思う。




───2教科目



国語。



お昼休憩を挟んだにもかかわらず、まだ震えが止まらない。


結局国語を解いている時もずっと、震えながら解いていた。




───3教科目



英語。



本日最後の教科になって、ようやく震えが止まった。



英語は私が受験勉強の中で、最も時間をかけた教科だったので1番緊張するはずだったのだが、何故か震えが止まったのだ。



人間というものは実に不思議である。




そして、自転車のパンクから始まり、ほとんどずっと震えており足が痛い、そんなコンディション最悪だった1日目が終了した。



その日、帰ってから味噌煮込みうどんを食べ、次の日の科目の勉強を少ししてから、倒れるように寝た。



自分がどのようにして電気を切って眠りについたのか覚えていないほどに。





2日目。



今日は理系教科なので、文系の私からしたら少し気持ちが楽だった。



しかしその気持ちの楽さは、数学によって絶望へと変貌した。



1教科目の理科基礎はいつも通りできたと思い、安心しきっていたところに"ヤツ"はやってきた。




───2教科目



数学1A。



1ページ目。


おっ、これなら解けるぞ、と少々余裕があった。



しかしページを1枚めくり、問題文を読んだ時、は?と思った。


ちょっと意味が分からない。



どうしよう。


焦りがでてきた。



いさぎよく諦めて次に向かったが、なんということだろう。



次も3問目くらいから全く分からないではないか。




そして、第2問。


(1) 。あれ、分からない。


てか太郎さん感情ないけど大丈夫そ?



第3問。


確率は割と得意分野なので割愛する。



第4問か第5問どちらを解こうか迷ったが、第5問にした。



まあ、結果は言うまでもないだろう。



まさにディザスターであった。




───3教科目



数学2B。



ここで巻き返さねばやばいと内心とても焦って、緊張していた。



しかし第4問の数列。


その前の第1、2問目で少し期待を抱いていたのが、一気に打ち砕かれた。



また気持ちを切り替えてベクトルへ進んだのだが、これまた結果は言うまでもない。


本当の本当に、ディザスターであった。




帰り道、自己採点することへの恐怖が、私の心の中を独占していた。



その後家に帰り、まずやろうと思っていた私立の出願をしてから自己採点をした。



結果は皆さんの想像にお任せする事にする。



そして、私が生きてきた中で最も濃密な2日間が幕を閉じた。




共通テストを日程通りに受けられたことは決して当たり前ではない。


奇跡だ。



コロナが落ち着いてきたと思った12月。



「新たなコロナウイルスの変異種が発見されました」



そうニュースで報道された時、それはそれはもう本当に怖かった。


共通テストがあと1ヶ月というところまで迫っている最中のことだったからだ。


どうか、日本で流行しませんように。


そう願う日々が続いた。



しかしそんな思いも儚く打ち砕かれ、状況はどんどん悪化していった。



毎日毎日、自分が感染していないか、また、感染源になってしまってないか、とても不安だった。



そんな中で、無事に共通テストが受けられたこと、本当に奇跡だと思う。


コロナウイルスだけではない。


他の病気や怪我もしなかったのも、本当に奇跡だ。



だから私は伝えたい。


このような状況下で共通テストを開催するにあたって、携わってこられたすべての方々、そして最も身近で支えてくれた家族や友達に、ありがとう、と。



当初は共通テストを受験するだけでこんなに感謝の気持ちが浮かんでくるとは想像していなかった。



なぜなら、大学受験生なら当たり前に共通テストを受けられるものだと思っていたから。



けれどその当たり前が突如として奪われ、当たり前ではなくなった。



そして自分が当事者になってようやくその事に気がついたのだ。



とても愚かだと思う。



ずっと当たり前に享受されていたものが無くなった時、しかも自分が経験して初めて気づくなんて。



けれども人間とは本来そういうものだとも思う。



経験しないと痛みは分からないし辛さも分からない。


だから他人の痛さとかも分からない。


分かりたいと思っても経験がないことが枷になり、完璧に理解することはできない。



なんだか話がとても脱線してしまった気がするが、要するに何が言いたいかというと、人は自分が当事者になって初めて理解するということだ。



痛みも、喜びも、悲しみも、嬉しさも。




こんな些細だが、とても大切なことに気づくことができた共通テストだった。



結果はあくまで結果。


切り替えて2次、私立に向けて最後まで足掻こうと思う。






ところで、"本当の受験生"とは果たしてなんなのだろう?


私は自称進学校に通っていて、ある先生がよく"本物の受験生"とは?という話をする。


その先生の話によると、どうやら私は本物の受験生ではないらしい。



教科書も表紙が無くなるほどボロボロではないし、本番当日も直前まで単語帳を読んでいた。


唯一あてはまっていることといえば、1学期が1番メンタルがやられていた、ことくらいだ。



しかし、"本物の受験生"なんて定義付けられるのだろうか?


受験生に本物も偽物も無くないか?



私は紛れもなく受験生だし、その事実はどう頑張っても変えることは出来ない。



努力だって、精一杯してきたつもりではいる。



そんな中で"本物の受験生"だなんて、他人の尺度で決められるなんて、たまったもんじゃない。



そんなに否定しなくてもいいではないか。



自分が精一杯やってきたなら、それはもう紛れもなく本物の受験生だと私は思う。


決して自分を肯定したくてこう言っている訳では無い。



ただ私は受験生を、"本物"と"偽物"といったふうに分けるのはどうかと思うと言いたいのだ。



まあこれはあくまで私の感想である。(笑)


誤解がないように書いておくが、その先生はとてもいい先生である。


授業もわかりやすいし普段はとても優しい。


だがその先生の、"本物の受験生"論には納得ができないと言いたいだけだ。


決して非難しているとかではなく、私の意見を述べているだけである。





努力が必ず報われるとは限らない。


結果しか見られない社会は本当に生きづらい思う。


しかし頑張ったんだっていう事実を誰かが否定する権利はない。


"努力した"という事実が、これからの人生の宝になる。


これから受験生になる方々全てに、幸あれ!


読んで下さりありがとうございました。

共通テストを受験した私の感想というか、なんか作文みたいになってしまいました。(笑)


私は他に2つ連載小説を投稿しているのですが、それの頻度が約週1なので、ほんとに受験生か疑われるかと思います。実は今まで投稿してきた分の小説は高校2年生の頃から書き溜めていた分です。ですが困ったことにもうそのストックが切れました。最悪です。後先考えずにやる私の悪いところです。本当は受験が終わったあとに投稿を開始しようとしてたのですが我慢できなかったのです。ですので投稿頻度がスローペースになります。すみません。


スローにはなりますがぜひ他の作品も読んでいただけたら作者とっても喜びます。

1つは変な男と自殺願望の強い男が戦ってます。

ちゃっかり宣伝させて頂きました。

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