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2話 予感

ホントかエアかはさておいて、わたしにはめいがいる。


昔々、小学生の高学年ぐらいだったか、なんだか彼女に相手にもされていない。というか、軽くあしらわれているとかそんな感じだった。そんなときふと彼女の胸が、少し膨らんできていたことに気づく。わたしが視線を下げちまったからだろう。だから思った。


男にとって相手にもされない女ってば? 高嶺の華か、まだ子供か、どちらかってことだろう。オレってそんなものかよとかロリコンだったかだとか釈然としないが、しかし、いずれにせよ自分の問題であって納得はする。


なぜなら、男ってバカだからだ。胸をみてそんなものを測ったところで女の子の成長は人それぞれだよ。女の子にしても、大きかろうがかなり控えめでもどちらも同じ効果になるってもので、次からはきちんと目を合わせて話をしよう。


やがて、目があうと赤ん坊のころから変わらない姪の可愛らしい顔が久しぶりに見えた。そこが可笑しくなって優しく微笑んでいると、なぜか彼女まで嬉しそうな笑顔をしている。久しく会わなかったから、どちらも硬い表情をしていた。ただそれだけだったというわけだ。


最近、ふらふら街を出歩いていると、なにやら人相の悪いオッちゃんたちにメンチ切られることが多い。厳つい顔をして睨めつけてくるから腹が立つ。なにか問題でも? って気持ちでわたしの眉間も鋭くなるが、そこでなぜか姪とのことを思い出していた。


なぜなら、男ってバカだからだ。瞳をみて相手の器量を測ったところで男の鼎は人それぞれだよ。ポンコツ同士のマウントの取り合いなんざ1円の価値もない。みるべきは物事へ向ける眼差しだ。次からはきちんと目を合わせないで街を歩くことにしようと思っていた。


というわけで、人通りの向こうから仲良く手をつないで歩いてくるカップルが、どちらも男の子同士だったのでわたしは立ち尽くしてしまったよ。目を合わせると睨みつけたようだし、視線を逸らすと避けたようだからね。幸にして、天へと空目になって立ちつくすオッサンなどどこにでもいる都会ってのは、とても優しい所で助かった。


近未来の世界で人間は光合成をするようになって、男女の区別もなくなって視線を気にする必要もなくなるそうだ。なぜなら紫外線量が増えるから、化粧をしているのが男で銃口が頭から伸びているのが女になるのだそうな。そんな長生きする気はないが、人生って難しいなぁと思いましたとさ。


どんとはらい。

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