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第四話 まともだったはずの街

なんとか証拠隠滅と食事を済ませた私ですが、これからどうしましょうかね。

そんなことを考えていると、先程用事で出かけていたアイリスさんが帰ってきました。


「レイナさん、私は今から街に行くことになりました」


「急にどうしたんですか」


「本部の方にいろいろと連絡しにいかないといけないんですよ」


「最近になってから危険な生物が出るようになった、ということも関係してるんですか」


「まあ、それも含めてということです」


「そういえば、ここから都市までというと、結構遠くありませんか」


「そうでもありませんよ、歩いて三十分くらいです」


「ドラゴンさんで街まで送りましょうか」


「いいんですか!」


「私も元々、街まで向かうつもりでしたし」


それにしても、ドラゴンさんは十分で着くって言ってましたけど、人が歩いて三十分ならドラゴンでそんなに時間がかかるわけないでしょう。ドラゴンさん適当に言いましたね。


「それでは、お願いしましょうかね」」


教会の外に出て、背中に掛けたマントを広げます。

マントは形を変えて、段々と赤い竜になっていきます。


「それでは、行きましょうか」


私達はドラゴンさんに乗って大空の旅へと向かいました。


そして、五分程で街に着きました。

街は石やレンガでできた建物が多く、人の動きも多く活気があります、街の中央にある大きな時計台が印象に残ります。


「ドラゴンさん街の少し手前で下ろして」


ドラゴンさんは無言で急降下をはじめます。

はっきり言って私はこの体が浮く感覚というのが苦手です。

一つ分かることがあるとするなら、ドラゴンさんは便利道具として扱われるのが嫌だったのでしょう。

とことん嫌われていますね。


まあ、そんなことはどうでもいいので、いつも通りドラゴンをマントに変えて街に入ります。


「すみません、私はここから少し別行動になります。五時に時計台の下でまた会いましょうか」


そう言って、アイリスさんは中央の時計台を目指して歩き始めました。


それにしてもいろいろなお店があって活気がある街ですね、とても平和そうですし……

うわっ!誰かとぶつかったらしいです。

平和ですねとか思った矢先これですよ。


「あの、大丈夫ですか?」


「ごめんごめん、僕も急いでいるところでね」


ぶつかって謝っている少女は随分と小柄だ、十三歳くらいだろうか、長い銀髪が印象的な少女である。


「僕の名前はリリ・ハイド、僕はね君に運命を感じている、ということでおごってくれないかな」


「いやです」


これが、私の人生が大きく狂った瞬間でした。

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