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第三話 私はある意味これを飯テロだと思う

私はぐっすり眠れていました。

次に起きたのはお昼時、窓から入る眩しい光と、空腹がそれを物語っています。

近くにアイリスさんがいるので、一応時間くらい尋ねましょうかね


「アイリスさん、今は何時ですかね」


「今は十三時くらいですかね」


三時間程寝ていたらしいです。

そんなことより、お腹がすきましたねえ、さっき胃の中ほとんど吐き出しちゃいましたし。

とは言え、今日初めて出会った人に食事までたかるわけにはいきませんよね。


「レイナさん、食事できましたよ」


「えっ!いいんですか」


「はい、もちろんです、召し上がってください」


どんな料理なんでしょうか胸が高鳴ります。しかしそこにあったのは……


「アイリスさん、ここにあるおぞましい物体は何ですか」


「この村特産の食用虫です、見た目はともかく味はいいですよ」


いや、そうは言われましても、虫ですよ、味とは別の問題ですよね。

とは言え、ここで食べないというのも失礼ですよね。

私は、意を決して食べることを決意しました。


「いただきます」


私は、皿の横に置いてあったスプーンを右手で持ち、左手で料理の乗っている皿をつかみ、食べ始めます。


「レイナさん、私の得意料理はどうですか」


味を答えろと言われたら間違えなく分からないという状態です。

虫そのものに嫌悪感がある以上どうにもこうにも飲み込めてもいないわけなのですが……


「おいしいですね、この料理」


せっかく出してもらったものをまずいとは言えませんよね。


「良かったです、それと、ここにパンとエールがありますから、ご自由に食べてくださいね」


先にそっちを出せよ。口にこそ出しませんが率直な感想です。


「私はこれから少し用事があるので、すぐ戻りますから」


そう言ってアイリスは立ち去る。


「ドラゴンさん、虫を灰に出来る炎の渦をつくって」


炎のマントは形を変えて渦になる、私はその渦の中に口に入っているものを吐き出します。

ついでに皿の上に乗っているのも燃やしておきます。そして灰になったそれを窓から捨てます。

許せ、アイリス、これは仕方のないことなんだと言い聞かせて全部捨てます。

そして、エールを飲みパンを食べてそこそこつらい食卓は終わりを告げました。

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