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第二話 比較的平穏な村

私はアイリスと近くの村に向かっています。


「そういえば、聞き忘れていたのですけど、イベールさんはどうしてあんな所に居たのですか」


「薬草を取りに行っていまして、それと私のことはアイリスと呼んで下さい、私もレイナさんと呼びますから」


「薬草を取りに行くにしてもあんなに危険な所まで……」


「いえいえ、本来あそこには危険な生物はいないはずなんですよ」


「外来種ということでしょうか」


「おそらくは」


随分と迷惑なものを放った人もいる者ですね。まあ、そういうのは大方転生者によるものでしょうけど。


「着きましたよ、レイナさん」


そこにある村は、廃れているというわけではないが、家や人の数が多いようには見えない。家は木製のものが多いようだ。一つだけ違う材質のものがあるとするなら石造りの建物……


「ここが私の働いている教会です」


それほど綺麗ではないにしろ、他の建物に比べればこの教会は、ましな方でしょう。


「ついてきてください、こんなボロ教会でもベッドくらいはありますから」


そう言って私を教会の中まで案内してくれました。


「ありがとうございます、アイリスさん」


「助けてもらったお礼ですから」


私はベッドに寝させてもらいました。この時私は、寒いのが嫌なのでドラゴンの翼をマントに変えて寝始めました。


「貴様は我をなんだと思っている」


ドラゴンが私に語りかけてきます。


「別にいいじゃん」


「我も今まで様々な人間を見てきたが、貴様のように竜を扱う人間は見たことない」


「ドラゴンさんの能力は自由に形を変えることなんだから、最大限活用してるだけだよ」


そして私はドラゴンさんが次の話を切り出す前に寝てしまいました


「小娘一つ言っておきたいことがあるのだが、この村は不自然ではないか」


まあ、後になって思えばこのセリフは重要だったことでしょう。



一方そのころ、この物語において四話に登場するはずの最も狂った生物はどうしていたのかというと

「おーい、オリバーくーん、こっちだよー」


僕は手を振りながら、少年を見つめる。


「ようやく見つけたぞ、リリ」


「ようやくって、まだ二時間ぐらいしか離れてないよ」


「バカ野郎、二時間も探し回ったんだぞ」


「まあ、なんていうか苦労したみたいだね」


「いつもの事だ、別にもう気にしてない、それに、お前を探すのが俺の仕事みたいなところもあるしな」


「いやーかっこいねえ、そのセリフ」


「リリ・ハイドお前を脱獄の容疑で逮捕する」


そう言って目の前の彼は僕に手錠をかけて引っ張る。


「脱獄犯逮捕RTA更新おめでとう」


僕は手錠にかけられた手で拍手する。


「うるさい、少し黙ってろ」


「ご機嫌斜めみたいだね、こんなかわいい女の子とデートできているのに」


「お前を女の子として見たことはない」


「随分とひどい言われようだね」


僕は白銀の髪をなびかせながら、楽しそうに刑務所へと向かっていくのだった。


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