ケント異世界の大地に立つ
アバター作成の決定ボタンに触れると視界が真っ白に染まった。
そういえばゲームでもアバターを作成してゲームを開始する時と同じ演出が入っていたがそこまで再現したんだ?と思っているうちに強い光に包まれた。
「おぅ…。本当にゲームみたいだな…。」
光が弱まり自分の周りの景色を見渡すと、先ほどいた辺り一面の草原ではなく遠方に森、さらに遠くには高くそびえ立つ山脈が見えた。
ゲームの開始地点でも同じような地形から出発だったので、もし自称神からのメッセージがなければここが異世界だと思えなかったかもな…。
ゲームと同じであるならここからチュートリアルが始まるのだが、とりあえずメニュー画面を起動してみるか。
メニュー画面を起動するとステータス、装備、持ち物、建造、マップ、メッセージ、任務等のアイコンが現れ、その中の任務のアイコンが点滅している。
これがゲームなら飛ばしてもいいんだけど…どうするかな…。飛ばそうかな?
そう思っているとまるで抗議をするように任務のアイコンが強く光りながら警告音を発し始める。
「めんどくせぇ…。」
『めんどくさいとはなんですか!?』
周りに人の気配はない…という事は…サポートAIかな?
異世界戦争オンラインプレイヤーをサポートするためAI(人工知能)を付けることができるのであるが、空中ディスプレイに文字を写すことで会話は可能であるが、話すことはできなかったはず…。
『ほら、さっさとチュートリアルを開始してください!はやくはやくっ!』
「はぁ…。」
軽くため息をつきながら空中に浮かぶ任務のアイコンを押すとチュートリアルが開始された。
そしてチュートリアル終了。
え?何をしたかって?チュートリアルの内容なんてすでにゲームをやっている者からすると当たり前の事ばかりだからさっさと終わらせたわ。
それでチュートリアルという名の任務をクリアした報酬が以下の物である。
・【装備一式】戦闘服上下、靴、ナイフ、拳銃、狙撃銃、弾薬、手榴弾
・【食料】レーション、水
・【医療品】包帯、止血剤、緊急回復薬(注射器)
・【建造】簡易建造端末機
・【採掘】簡易採掘道具、資源探知機
・【サポートAI】初期型サポートAI、腕時計型端末機
これらの物がチュートリアルの報酬としてインベントリの中に入っており、現在のインベントリの最大容量は30種か。ゲームと同じなら今後容量を増やせるだろうが気を付けないとすぐいっぱいになりそうだな。
『ほらご主人様。早く基地を作りに行きましょう。』
そう話しかけてくる目の前に浮かぶバレーボール大の金属球のサポートAIのアイ。名前を付けろってうるさいので思い付きでつけてやった。
『何か失礼な事考えてませんか?』
そんなこと考えてないぞ?名前安直かなと思ったが当人は気に入ってるようだしまぁいいか。
「わかったわかった。ほら行くぞ。」
そうアイに言葉を投げかけると、遠くに見える山の方へと歩き始めた。