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その4
その4
青い空を探す旅がはじまりました。
滅びの雲からは、いつもうぶ毛みたいに灰色のこながふってきます。
雪みたいに、それは命をつめたくぬすんでいきます。
その冷たい死の灰のなかで生きていられるのは、なぜか鳥だけでした。
そのなかでも、カラスはとりわけいつまでも元気なのです。
王さまきどりしていられるわけですね。
でも、フラッコは知っています。死体が減ってきたので、今では腹ペコのカラスも多いってことを!
だから。
おいしい死体を探してやるかという気持ちは、フラッコにだってあるのです。
ですが、やはり見たいのは、青い空!
フラッコは、黒いつばさで空をたたいて、北の空を目指すのでした。
なぜ、北だったのかといえば。
かつて、青い空のことを教えてくれた物知りのフクロウは、北からやってきたからなのでした!