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その３

どうしても青い空が見たいフラッコは、風を切るための羽が生えた頃、ついに青い空が見える場所を探して旅に出ました。

仲間たちには、その理由はひみつです！

青い空が見たいだなんて！

変わり者あつかいされては、たいへんですから。

カラスの世界では、バカにされることは、とんでもなく恥なのです。

だから。

フラッコは、世界でいちばんおいしい『死体』を探してくるんだと、まわりのカラスにはウソをつきました！

おいしい死体を探しもとめることは、カラスたちには名誉な冒険なのです。

みんな、日増しに少なくなる死体に、こまっているからです。

あらゆるものが滅んだこの世界でも、滅びだけは元気なのです。

死んじゃう生き物そのものが、もう少なくなっていました。

フラッコは、フラッコ自身が考えているよりも、まわりの仲間たちに期待されていたのです！

彼のつばさは、仲間たちの誰よりもはやく風を切りさくのですから！