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その21
その21
『ぼうごふく』から話を聞いてみると、そのキカイを置いてしまうと、いいぐあいに予備の電気が地下に流れるそうです。
ですが、そのとき、この灰色の施設からは、とんでもなくつよい呪いが出るんですって!
その呪いをあびたら、いきものはだいたい死んでしまうそうです。
……死ぬつもりなら、それでもいいじゃないか。
そうなんだけど、問題があるんだ。
『ぼうごふく』が言うには、キカイを置くときは、おおきなドアを閉じておくひつようがあるそうです。
そうでないと、キカイを置いても、予備の電気が動かないとか?
なんだよ、気のきかない電気だなあ……。
ま、まあ、安全に発電所を動かすためではあったんだけど。
『ぼうごふく』のしんぱいごとは、キカイが止まったとき、自分がしせつのなかに閉じ込められて死ぬことです。
それでは、ドアが閉じたままで、フラッコに食べてもらうことが出来ないのですよ。
それは、空にいきたい『ぼうごふく』には、死ぬよりも大きな問題でした。




