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その2
その2
なんと、世界は生まれる前に終わっていたそうです!なので、どんなにフラッコが望んでも、青い空は見れないようですよ。
フラッコは、かしこいカラスだったので、ムリなことは願いません。
でも。
本当は、青い空とやらを見てみたいなあ、と心のどこかで考えてはいました。
ひとならば、かみさまに、おいのりしたり、おねがいしたりするところですが。
かしこいカラスの心には、かみさまなんて住んでいません。
いもしないものを、かしこいカラスは信じることはないのです!
それでも。
つごうよく、青い空を見せてくれるならば、かみさまでも、そのはんたいの、あくまでも、ちからを貸してほしいものだとも、フラッコは考えていました。
カラスはあくまの使いと言われて、ひとにいじめられて来ました。
そんなふうに学校でおそわっていましたので、なんだか、あくまとはなかよくなれそうな気がするのです。
ただし、だれかの子分になるなんて、まっぴらごめんだなあ、ともフラッコは思いました。
カラスは、滅びた灰色の空ではいつだって、誇り高い、空の王さまなのだから。