18/31
その18
その18
ああ、よけいなことを言ってしまったなあ、とフラッコは考えています。
手伝いだって?まして、人間ごときのですよ!?
カラスらしくないと、長老たちに知られたら、裁判にかけられてしまうところです!
でも。
フラッコは勇気のあるカラス!裁判で、はんざいしゃにされて、南の変な色にゆがむ空への冒険を命じられても、まあ、いいやと考えています。
南の空も、フラッコは気にしているからです。
変な色にゆがんでいる空に、はんざいしゃの悪人カラスばかりが向かう空に、行ってみたくはあるのでした。
でも、そんなことを口にすれば、バカなカラス呼ばわりされそうなので、ずっとくちばしのおくに、しまっていたのです!
『ぼうごふく』は人間らしく、自分のことばかり考えていました。フラッコの悩みとか、『かっとう』という、ふくざつな心にも気づいてくれません。
これだから人間は!
文句を言いたいところですが、カッコいいカラスに、二言はありません。