その11
その11
さいきんの人間たちは、みんな、おかしくなっていました。
口から緑の液体を吹いたり、いきなりカラスを追いかけて、空を飛ぼうとして、何度も地面をけって、ピョンピョンはねたりするのです!
アホらしくて笑えていたのも、少しのあいだだけでした。鳥たちは、ウワサしています。
この空から降る、危ない灰のせいで、人間どもは、おかしくなっているらしい。
物知りかもしれない『ぼうごふく』に、フラッコは質問しました。すぐに、答えがかえってきたことに、フラッコもおどろきです!
『ぼうごふく』は、そうだよ、とこともなげに答えました。
彼が言うには、この灰を浴びると、生き物は死んだり、おかしくなったりするそうです。
じゃあ、鳥は??カラスは??
まあ、話せるようになっているんだから、かなり変わっているよね??
昔のカラスは話せなかったのか??そんな、ばかな??オレたちは卵のなかのことだって、覚えているぐらい、かしこいんだぜ??
『ぼうごふく』は、それから難しい話をしてくれました。
あんまりにも長いので、みじかくまとめると。
世界が滅びたのは、人間のせいで、この灰は世界を焼きつくすための呪いなのだそうです!
この灰を浴びると、みんなおかしくなって、いつかは、みんな死んでしまうらしいのです!