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大邸宅
老人の家は大邸宅だった。どうも老人は悠々自適な生活を送っているように見えた。
「驚きましたか?」老人は言った。
「でも、この家も財産もあの世には持っていけない。私が死んだら醜い相続争いが起きるでしょう」老人の言葉に梅は頷いた。
「この財産は少林寺に寄付するつもりです」老人は言った。
「さあ、食事の準備ができた。御一緒にどうぞ」と老人は言った。
その頃、李英風は山道を馬に乗り走っていた。
湖で咽を潤し顔を洗う。
「さて、今日はどこをぐらにするか?」
李は思案した。
辺り薄暗くなっていた。
山の中腹に灯りが見えた。
李はそこに行く事にした。