表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
オッサンのエロゲー世界攻略記  作者: 土門 水
序章 オッサン、エロゲーはじめるってよ。
2/27

 2 エロゲ―(グロゲー)世界前夜





 私は今ギャルゲーをやっている。

 そして今、これが私の求めていたものだと満足感を得ていた。


 我ながら一度走り始めた大人の欲望というのは果てしなく、最初に私は照れながら萌え文化手を出したが、今となってはドップリ浸かっていると表現したほうがいい。

 最近は仕事を終えると用事がなければ速やかに家に帰り、ビールとカンカイを肴にギャルゲーを楽しんでいる。一人という侘しさも今では無くなり、ゲーム時間の欲しさからも毎日通っていたスナックにも最近は行かなくなった。ママや部下との付き合いが悪くなったと言えるが、一方で宅飲みだから酒代に金がかからず、ギャルゲーに集中するためにあまり酔うわけにもいかないので飲む量もほどほどになり健康的になったと言える。金銭的には掛ける金が酒からギャルゲーに移っただけ、ゲームは高い…

 だが全体的にはメリットの方が上回るかもしれない。それは、最近のオタク文化を理解できるようになり、その傾向のある部下と仲良くなることができたのだ。結果的に今まで付き合っていた部下とは別の関係も増えたわけだから、私生活も仕事の人間関係もよくなった!

「ギャルゲー万歳…」



「…この(由奈、俺はお前が好きだ)で攻略完了か。」

 私はギャルゲーを基本的には全ルート攻略する。

 もちろんバットエンドも全制覇する。

 ギャルゲーはやはり高いのだ!以前の酒代よりも高い…かもしれない。なので、元を取るぐらいプレーしないと精神的にも経済的にもやっていけない。

 攻略対象の女の子が自分の好みではなくとも、たとえ、自分の好みの女の子が殺されたり、凌辱されたり、寝取られたり、実は男だと驚愕の真実がわかった時は…トラウマになった。


「…うーん、カトレアたん…あぁ……由奈、俺はお前が好きだ…とっ。」

 苦いトラウマを思い出しながらギャルゲーの画面を最小化し、エクセールを画面に展開して、選択肢とその結末を書き込む。

 どのゲームも最初は何がなんだか解らず、ギャルゲーを全力で楽しめるが、全制覇となると最後の方は落穂拾いのようになり、無味無臭の作業ゲーになってしまう。

 そして、いちいちこうやってエクセールに書き込むのだ。ギャルゲーのスクリーンショットと選択肢を打ち込んでいくとそれはもう事務仕事と変わらない。日々の余暇を楽しむという点ではこういった作業はキツイのが、正直なところである。だが、最初はポリシーだと思いこんでいたが、その内ゲームの全てをやり遂げた後、書き終えたエクセールをホルダーにいれて、今まで付き合ってきたギャルゲーの数々が見られるようになると、書籍類を読み終えたような、こう、達成感が生まれてきた。

こういったものは、シュミレーションゲームをする上での醍醐味ではないかと最近は思い始めている。


 さて、由奈は攻略した。別のゲームに取り掛かろう。


 自宅には原則3つのギャルゲーをストックしておく。今月は2作やったが、ストックはもう1つしかない。買わねば。

 最近では通販サイトを使って買ったりはしない。自分の足で目的のブツを買いに行く。最初に恥ずかしがっていた時とは随分と変わったと自分でも思う。おそらく、仕事や電子部品ぐらいの用以外はまずいかないであろう秋葉原にも前に行ってみた。もちろんギャルゲーを買いに行くためだ。物見遊山のついでで、メイド喫茶にいったこともある。

 だが当然といえば当然だが基本、情報収集はネットである。そっちの方が手っ取り早い。サイトのギャルゲー一覧を見て見ると、人気ランキングに載っかっていたギャルゲーはすでにプレー済みが多い。新作も見えるが、数も少なくなってきた。

 


「…エロゲーをやってみるか」

 ギャルゲーとエロゲーの違いは、ただ一つのみであると思う。

 それは、エロがあるかないかだと思う。

 別に私は女の子の裸に興味はないが、ギャルゲーのストックも少ない以上、ここはエロゲーをやってみようと思った。



 約2か月後、私は人気ランキングの上位の1本のエロゲーを終え、エクセールの書き込みを完了した。プレーした感想としては…


 「これ…、グロゲーじゃないか。エロい絵なんて8~9枚ぐらいしかない。」

という感想だった。しかも、平凡な学園ものと最初は思わせておいて物語が進むにつれ、主人公と数人の愉快な仲間達以外は、ほぼすべて死んでしまうという恐ろしいものだった。

 細かく言うと、中盤から仲良かったモブが主人公の前でいきなり妖怪に絞め殺され、その後も妖怪関連で学校や近くの建物での戦闘や捕食のために死んでいくことが後を絶たない。それも、主人公勢がモブや数名のヒロインの死を気づかないでいると、スッパリそのモブやヒロインが居たということ自体、世界から消滅してしまうという嫌なシステム…。

 一応グットエンドなのに、物語の最後で戦闘のため身体が大爆発を起こし、半径20㎞を巻き添えに死ぬというヒロインもいた。

 他人の評価コメントなど「クソくらえ」だったが、初めてエロゲーをやるのにエログロを最初にやるのはクジの引きが悪かったと思う。

「見とけば良かったかな…」

 …だが人気ランキングの上位にあるだけはある。グロゲーという点を除けば、考えさせることも多い結構いいゲームじゃないかと思う。

 私は、このゲームの製作をしている会社のほかのゲームをやってみようと思った。



 さて、初めてのエロゲーを無事にやり終えたこのオッサンは、普段と変わらず寝床につき、朝までぐっすり寝るのだが、オッサンが再び目を覚ました時、状況に驚愕することになる。

 なんと、今までプレイしていたゲームのよりにもよって初めて買ったエロゲーないしグロゲーの世界に自分が行ってしまうことになるのだから…









改稿しました

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ