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第97話
カルシラスト様の大きく白い手が私のをおおった。
まるで包み込まれたかのよう。羊水の中にいるかのような安心感……。
カルシラスト様は私に笑顔を向け「歩きましょう」と言う。
ゆっくりゆっくり進んでいく。歩一歩が私の人生のアルバムにおさめられていく。
足取りは軽く、軽口をたたいてしまいそうだ。
心がステップをきざみターンし……ワルツでも踊っているみたい。
カルシラスト様はニッコニコ。手を繋いだからかしら?
それとも別の理由? 私以外の女性のことを勘案して……?
私の気が塞ぐ。うつむいて憂鬱攻撃を浴びた。
私なんて……そう、私なんて大したことないのよ。意味のない存在なの。




