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第21話
そろそろふらつきを見せ始めたカルシラスト様は根性で毛足の長い緑色の絨毯に足を重ねる。一歩一歩前進していく。私は「頑張ってくださいね! 応援していますよ!」と激励。
これもカルシラスト様にとったら男をあげるチャンスだ。負けていられないだろう。彼の頬に汗が垂れる。私はそれをポケットから花柄の血のように赤いハンカチをとり拭う。
彼は「ありがとう、もう少しで着くから……」と言うも後が続かない。何か他にも言いたそう。かわいそうなカルシラスト様……。
いくつかの扉の前を通りやっと彼は止まった。そして「つきましたよ。私の愛する人……はあはあ……私のマリカナ……」とカルシラスト様は言い絨毯に膝をついた。
私はゆっくり床に足を下ろすも少しだけしびれていておぼつかない足どりを見せた。我ながら情けない。
私は立ち上がったカルシラスト様の胸に倒れこんだ。彼は愕然としつつも嬉しそうに抱きしめてくれた。温かくて良い匂いがする。「マリカナ、愛していますよ」とカルシラスト様は言い私のおでこにキスをしてくれた。そこが妙に熱を帯びた気がした。
そして私たちは別れた。もっと一緒にいたかった……。




