第2話
私たちは椅子から立ち上がり夜風に当たろうと進む。私はおずおず彼とならんで進む。スッと差し出された手を見て私はキョトンとする。
カルシラスト様は人形のような完璧な笑顔で「離れ離れにならないよう手を繋ぎましょう。すこしでも君に触れていたいのです。ダメでしょうか?」と聞く。
私は「いえいえ喜んで……です!」と返すと男前の顔でカルシラスト様は「それはよかった」と言い手を繋いだ。その手は以外に大きくたくましさすら感じさせた。
私は白いドレスをなびかせながら彼に続いた。カルシラスト様は優しくリードしてくれる。彼は私を好きなのだろうか? それとも何となくこんなことを?
王族の方や従者たちの間を抜けバルコニーにやって来た。そこから見える夜景は素晴らしかった。夜空に宝石が散らばったかのようにキラキラしている。
カルシラスト様は私と手を繋いだまま私を傍に寄せ「このお城から見える景色は素晴らしいでしょう? 私にとったらマリカナもそれと同等以上なのです」と口にした。
私はドキッとした。幸せの波が私の心に到達する。なんとも言えない感情。満ち足りた気分……。私はこんな素敵なカルシラスト様になら断罪されてもいい。だから少しでも長く傍にいたい。そう思う。