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第189話
「確かにその通りですね。自省します」
彼は根は真面目に。いや、表面もか。
私はカップを口につけ傾けた。クピクピ。
「まあ、カルちゃんの子供の頃の夢は……」
「あ、また余計なことを!」
「超人になって悪漢を退治することだったっけ……」
「カルシラスト様は正義のヒーローに憧憬があったんですね」
「それは……マリカナ。男子ならたいていそんなものですよ。王子であっても……」
「カルちゃんたら変身したがるのよ。まったく困ったものだったわ」
「カルシラスト様が変身……なんだかかわいいです」
「よかったじゃない、カルちゃん。ポイントが上がったわよ」