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第177話
まさかの展開だわ。幻聴かしら晴れているのに雷の音が……。
「ち、違います。ダンスパーティーのお相手をお願いしただけで……」
「あの日はうだるような暑い日だった。ダンスで燃え上がった二人は激しく抱き締めあった……」
「また嘘を! ダンスだけです! 本当っぽく言わないでください!」
カナダ様はイタズラっぽくウィンクした。
なんだ冗談か。ビックリビックリだわ。もう。
カルシラスト様はコーヒーを一口飲んだ後こう言う。
「カナダさんはなぜこの通りを歩いていらしたんですか?」
「美形ハントよ。決まっているじゃない」
「えと。なんですか、それは……?」