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第159話
私は救急車を待った。蘇生できるかもだし。
あれほど周りから辛く当たられても真っ直ぐに立ち向かったあなたを同じ国民として誇りに思うわ。
「私、看護師です!」
と喧騒の渦中から一人の女性が飛び出してきた。まあ、立派な方。
膝をつき脈をはかったり、体温をチェックしている。
救急車、救急車はまだなの?
パーポーパーポー! パーポーパーポー!
あっ、やっと来たわ。白い天使みたい。救急隊員たちがストレッチャーに怪我人を乗せ走り去った。
パーポーパーポー! パーポーパーポー!
なんとか生き延びてほしいわ。私は胸の前で両手を組み神仏に祈念した。