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第1587話

 脇腹をくすぐられて、笑いが口からポコポコと水泡のように湧きたち、不安が一時的にやわらぎ、大きく呼吸できた。トンネルに入りバスはハイビームで先を照らし進んでいく。トンネルの照明が一瞬、カーリアを浮かび上がらせ、不幸にも若く死ぬ、早逝のことを言うべきか悩んだ。照明の下を通るときカーリアは幾度も表情を変えた。笑ったり怒ったり見下したり。彼女の黒い長髪は作り物のように美しく、そして儚かった。


 バスが五分ほど直進し、前方のノロノロ運転の車に速度を制限され、運転手のいら立ちがハンドルさばきや、急発進に現れているの忖度できた。一番前の席で見る景色は広々として、道沿いに咲く街路樹の葉がはらはらと重力に押され、あるいは風に吹かれて枝からちぎれ舞い落ちる。


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