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第1582話
カーリアがくすくすと笑い視線を前方に向け靴を脱ぎ椅子にのぼり、立ち上がり、前の椅子の上部を掴んで眺めはじめた。みんなの喋り声がエコーし、楽しんでいるのがわかる。オカルトの話をする魔法大好きっこもいるみたいで、魔術書について熱く語っている。まだ保育園児なのに。末恐ろしい子。子供たちの話声が空気を震わせ、保育士さんの耳に届き「皆さんお静かに」と丁寧な口調でたしなめられる。
保育士さんの声音は怒りからくる苛立ちというよりも、心配からくる愛情にくるまれ、子供たちの心にしみ込み、温かい温情に癒されていく。人の言葉に言葉以上のものがあるとすれば、きっとそれは心が放つサインのようなものかもしれない。言葉に思いを乗せて羽ばたかせること。素敵だ。




