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第1581話
図体の大きな男性が歩道を疾走し、肩で呼吸をしている。おぼつかない足取りからよどほ疲弊し、無理をしていて、一歩一歩の踏み出し量が少なく、休憩をとって再開するなどすべきように見えた。車窓からずれるように外れてその男性は黒髪を馬のたてがみのようになびかせながら、足を前へ前へと突き出し、諦念しなかった。
「ちょっとマリカナ、聞いている? あ、さっきの男性が好みのタイプだったとか? 年が離れすぎじゃない?」
「いや、そういうんじゃなくて、頑張っているなあって」
「へえ、応援していたんだ。優しいね」
「いや、そういうのでもないのですけど」




