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第1577話
「な、そんなことはないわよ。私は赤ワインが好きよ」
「まだ、未成年でしょう。大人ぶらないで」
「ははは、ごめんごめん」
惚けた気分になる。平々凡々な貴族令嬢としての日々。懐かしの過去にやって来て、ここからまたやり直すのも悪くない。そう思えた。バスの走行速度は安全運転らしくとろい。案件懸案事項を忘却してしまいそうで怖い。椅子に深く座り、両手を天井に向け伸びをした。肺に呼吸を送る。目抜き通りをバスは行く。比較的、車や馬車はおらず、ブレーキを踏まずに進んでいく。車内では期待に胸を膨らませる児童で溢れている。服、マンガ、ケーキ……つまり買いたいものだ。私は食については普通だがカーリアは大食いだ。食べ比べをする。そうすると無尽蔵のカーリアの食欲のすごさを見せつけられる。テーブルが料理で埋まってしまうほどだ。




