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第156話

 彼はこんなことを口にする。なんとなくかしら。


「実は我が国の図書館にはある王族が隠したへそくりがあるとのこと……」


 私は半眼になりこう突っぱねるように聞く。


「なんですか? さっきの仕返し的ななにかですか?」


 カルシラスト様はクスクス笑い。こう話す。


「いえ、本当です。行方不明になっていた大粒のダイヤの指輪が三つも発見されていますし……」


 私は「へー、そんなことが……」と懐疑的。


 王族のへそくりか……きっとかなりの値打ちものね。


 家とか二、三けん買えたりするのかな?


 私もお小遣いを貯めなきゃ。高めのドレスも欲しいし。


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