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第151話
カルシラスト様は私に微笑みこう言う。まぶしい笑顔……。
「このまま歩いてもいいですか? 雨の日の記念に……」
よくわからないけど頷く私。
するとカルシラスト様の笑顔は本当に、本当に嬉しそうになる。
服が雨で湿るほどにもならないだろうしへっちゃらね。
ポツポツ、てくてく。ポツポツ、てくてく。
なんか不思議な感じ。一応令嬢だから雨の日に傘をささないなんてないし。
いつもは冷たい雨が今日は温水みたいだわ……。
ダンスのせいかしら? それとも緊張か何かかしら?
とそこで、兵士君が傘を二つ持ってやって来た。えっちらほいさ。