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第150話
カルシラスト様は前方を見据え足を動かし続ける。
何か話をするわけでもない。私、嫌われているのかな?
充実した、しかし空虚な気もする時間が過ぎ行く。
私の物語はハッピーエンドかな? それとも……。
ええい、そんなことを考えていたらねくらモードに突入しちゃうわ!
もっと明るく和やかに。せめてカルシラスト様の前だけでは……。
うん、その意気で頑張ろう。ファイトよ、私!
そんなとき私の頬にポタリ。何かしら? 空を見上げると小さな雨粒が控えめに落下してくる。
涙雨だわ。考慮した限り。雨脚は強まっていないし……。
喫茶店に避難するほどかな? 鼻の頭にポツリ。くすぐったいわ。