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第134話
好きな人と一緒にいるだけで満足だもの。
踊りての中にはプロ並みの方もいた。いや、プロかも。
息のあったコンビネーションで前後左右に移動し見事な足さばきだ。
どこか優雅で上品なコンビだ。
これが大会なら優勝は彼らね。蝶のように舞う女性とリードする黒髪の男性。
まさに玄人のいきね。
ダンスの奥深さを垣間見たようね。
パーティーで殿方と踊ったときを思い出したわ。
私がまだほんの子供の頃の話ね……懐かしいわ。
あの頃は無邪気だった。ただ、ただ楽しくて毎日を謳歌していた。