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第116話
いや、今の私たちの関係こそ民に応援されるべきでは?
カルシラスト様の腕の中で鼓動が全力で百メートル疾走した後のように早い。
やっぱり、私は彼のことが……。この思いは成就するかしら?
世の中って厳しいもの。例えば今、そばを通り抜けた令嬢と従者は憎々しげにこちらをへいげいしていたし。
なんか、クレームでも国王にぶつけそうだわ。
いくら高級そうな白いドレスを着ても憎しみで歪んだ顔が台無しにしている。
ジェラシーでしょうね。かわいそうな人。
でも、カルシラスト様は渡せないわ。私の大切な……。
私は彼にこう聞いてみた。
「カルシラスト様の大事な人は誰ですか?」