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第1話
私は悪役令嬢マリカナ。悪夢にうなされ前世の記憶を取り戻しそれを知った。
しかし私は私を断罪するキャラ、カルシラスト王子が気になって仕方がない。なんでだろう? ハンサムだから? 性格の波長が合うからかしら。
私は今日はお城でカルシラスト様と並んで食事をとっていた。彼は「マリカナ口にナポリタンのソースがついていますね」と言いポケットから出した真新しいハンカチで拭ってくれる。
私は恥ずかしくなって下を向き「ありがとうございます」とぼそぼそ。
カルシラスト様は私の肩に手を回し引き寄せ頭を撫でながら「マリカナ……私の傍にいてくださいね。私はあなたの存在がたまらなく大切なのですから」と口にした。
私は緊張のあまり汗が顔を垂れる。そんなこと気づかれたらどうしよう……嫌われちゃうかもしれない。
でも王子様はそんなこと気にせず「バルコニーへ行きましょう。景色がいいのですよ」と言ってくれた。