表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
no name  作者: no name
2/2

シザンサス-ある国で-

旅をしている時は、嫌なことなんて思い出さなかった。むしろ思い出せなかった。

旅はありえないほど楽しい。ありえないほど美しい。ありえないほど清々しい。さくらさんがどう思ってるかは別として。

私たちは普段歩きで移動している。汽車があるところでは汽車に乗るし、馬を貸してくれる親切な人がいた時は遠慮せず乗らせてもらった。

また、私たちは武器を持っている。モンスターがいない世界とはいえ、人間同士のトラブルなんていくらでもある。私はナイフ、さくらさんはハンドガン。旅人は情をあまり持ってはいけない。基本峰打ちにするけど。

「シザンさん、今日は何をするんだい?」

さくらさんが私に話しかけてきた。私たちは旅の目的を特に持っていない。なのですることは基本その日にその場で決める。

「双六をしない?ここの国は景品がとても高価なものだし。出発する前に貰っとこうよ。」

「別にいいけど。もう何回も挑戦してるけど未だに景品貰えてないよね。」

「コツは掴んだし、もう大丈夫。次こそゲットできるよ。」

「信頼してるよ」

こんなたわいない会話をしてる時間も一日の楽しみだった。この国の双六は世界的に有名らしく、私はこの国に訪れる前からとても楽しみだった。

*

「シザンさん、なんであそこで一の目が出ちゃうのかな」

「さくらさん、もうそろそろ新しい国目指さない?」

「…景品は?」

「次の国は…シェリルドウズ国だね」

「もう明日に備えてねるよ、おやすみシザンさん」

「おやすみなさい、さくらさん」

さくらさんは寝るのがとても早い。まあ無理もない。私よりたくさん働いている。

次の国はシェリルドウズ国。海も山もある、農業が盛んな国。お姫様が綺麗でも有名なんだとか。お目にかかれるといいな。さくらさんが鼻の下伸ばさないといいけど。

まだ太陽がでていたので、移動に備えて私は買い出しに行ってくることにする。旅人は体力が大事。

双六行かなければ豚肉買えたのにな。

「えっと…木苺のパン、ハッピードリンク、魔法のおやつでいいかな」

「全部で1200Gだよ」

「えっ!?高すぎるよ」

普通に買い物すれば半額以下の500Gで買える。

「お客さん旅人かい?」

「ああ、如何にも」

「そうか、教えてやるよ。この国は今歴史的な不況なんだ。私はこれだけ値を上げても食べるのがやっと。お客さんには悪いが値下げはできない」

「ただの不況ではないんだね。なにか理由がありそうだ。あいにく私もお金がなくてね。あ、理由は聞かないでね?この国の手助けができれば嬉しい。教えてもらえないかい?」

「君がどうこうできることじゃないんだ。君はそのちっぽけなナイフしか武器がないのだろう?」

「ちっぽけとは失礼な。ところで…まさかモンスター?」

「ああそうだ。この国の外ではモンスターが好き放題している。おかげで他の国の物が輸入できないんだ」

おかしい。この世界にモンスターがいるなんて。

「倒してみせるよ。私の相棒は強いんだ。その代わりと言ってはなんだけど…」

「ああ、好きな品物を好きなだけ持っていっていいよ」

*

何故モンスターがでたのか。そんなことよりも好きなだけ品物がもらえる、そっちに目がいってしまった。サクラさんには怒られるだろう。だが気にしない。あの人はなんだかんだ優しいのだ。これでいいのだ。そんなことを思いながら、私は眠りについた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ