表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Kの冒涜  作者: カキヒト・シラズ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

21/31

第21章 姉ヶ崎姫香の手記②

以下は『月刊 女性と政治』2月号に掲載された姉ヶ崎姫香の記事である。



 偉大なる発明は人類の歴史を塗り替える。

 浦島桃子博士が発明した遠隔ニュークリア装置がそれだ。

 核兵器が無用の長物となり、世界中で軍縮の動きが活発化した。

 国連加盟国すべてが核兵器完全放棄に調印し、通常兵器においても軍縮を基本とすることに大筋合意した。

 また新国連本部は朝鮮半島の平壌に建設され、新しい常任理事国に、ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ、ドイツ、ジャパン共和国、オーストラリア、真日本帝国が選出された。

 平壌には今年六月までに、これまでニューヨークやスイスに設置されていた、あらゆる国連機関をすべて移行する。


 さて、遠隔ニュークリア装置の発明が遠因になっているかどうかは不明だが、次に紹介するように国際情勢は激動の時代を迎えている。

 ヨーロッパではイギリスをはじめ、国王を戴いている多くの国が王室を廃止して完全共和制に移行した。

 また昨年十二月、ローマではバチカン市国は解体し、イタリアに併合された。

 同じく十二月、中国の東北三省は満州共和国として独立し、スイス同様、永世中立国を宣言した。

 

 また新日本帝国の磯崎俊太郎首相は、朝鮮民国、ジャパン共和国、佐渡公国、琉球共和国に呼びかけて、東アジア連邦の設立を呼び掛けた。

 これは各国の自治を認めつつ、連邦内で外交、軍隊、通貨を統一するという構想だ。

 佐渡に連邦政府と中央銀行を設置し、連邦加盟国は対外的には一つの国家になる、というものだ。

 この場合、東アジア連邦が、ジャパン共和国と真日本帝国が常任理事国で二票持つことになり、公正を欠くとの意見がロシアと中国から上がっている。

 これに対し、磯崎首相はジャパン共和国だけ独自の外交権を持てるようにしたい、と記者会見の席で述べている。

 またフィリピン、インドネシアは、外交権と通貨発行権だけは自国で維持し、連邦統一軍隊だけ参加したいと提案している。

 いずれにせよ、超大国アメリカ合衆国が消滅した今、世界は中国、ロシア、東アジア連邦の三つが覇権国家になりそうだ。


 ところで東アジア連邦の統一通貨の単位だが、紙幣がカズマ、硬貨がエリーとなり、1カズマは100エリーである。

 これはそれぞれ真日本帝国と佐渡公国の国家元首の名前からとったものだ。

 札と硬貨のデザインは以下のように予定されている。

 このうち50カズマ札の金日成は、北朝鮮の総統でなく、第二次大戦中の抗日パルチザンの英雄、金日成将軍の顔がデザインされている。


 100カズマ札/浦島桃子/北海道出身・真日本帝国ゆかりの科学者

 50カズマ札/金日成/朝鮮民国ゆかりの将軍  

 10カズマ札/北一輝/佐渡出身・佐渡公国ゆかりの思想家

 5カズマ札/テレサ・テン/台湾出身・琉球共和国ゆかりの歌手

 1カズマ札/手塚治虫/大阪出身・ジャパン共和国ゆかりの漫画家

 50エリー硬貨/ソメイヨシノ/ジャパン共和国ゆかりの植物

 10エリー硬貨/サトウキビ/琉球共和国ゆかりの植物

 5エリー硬貨/トキ/佐渡公国ゆかりの動物

 1エリー硬貨/虎/朝鮮民国ゆかりの動物


 最後に私たちが住むジャパン共和国に目を向けてみよう。

 東京では国民のライフスタイルに変化が生じている。

 首都が福島に移転し、丸の内や西新宿の多くの大企業が仙台や名古屋へ移転している。

 だがいまだ旧日本地域で東京は経済の中心地だ。

 企業跡地には高層マンションが建設されている。

 また皇居跡地には庭付き戸建住宅が立ち並んでいる。

 というより、ここは兼業農家地帯だ。

 庭としては広いが農地としては狭い場所に自給自足用の農作物を植え、余った作物は近隣限定で販売するなど、食費の一部を節約している。

 ここの住民の多くは皇居跡地外に平均週二日通勤して、農業と合わせて生計を立てている。

 いずれにせよ、東京の通勤ラッシュは大幅に改善されたようだ。

 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ