第17章 姉ヶ崎姫香の手記①
以下は『月刊 女性と政治』12月号に掲載された姉ヶ崎姫香の記事である。
歴史にはしばしば区切りがある。
たとえば日本人の場合、明治維新や太平洋戦争終戦がそれだ。
ところがここへきて、もっと大きな変化を私たちは経験させられた。
つまり私たちが暮らしていた日本という国がなくなり、複数の国に分割したのである。
北海道は真日本帝国。沖縄は台湾と合併して琉球共和国。佐渡島は佐渡公国。そして残りの部分がジャパン共和国。
あまりにも急激な変化に戸惑いを覚えているのは私だけではないはずだ。
これは歴史の区切りなのだろう。
真日本帝国は函館を首都とし、磯崎俊太郎氏を首相とする超ハイテク軍事国家だ。共同国家元首には名前のない元帥と、国民最高会議議長の後閑静江氏が就任する。
琉球共和国は辺野古を首都とし、大統領が元中華民国総裁の呉恵民氏、首相が元沖縄県知事の川本孝義氏。外交的には中国よりの国家だ。
佐渡公国は両津を首都とし、元佐渡市長の森野成吉氏が首相に就任。国家元首としては弱冠二十歳の女性、小林愛理氏を天皇に戴く。
ジャパン共和国は首都を東京から福島へ移転する予定だ。初代臨時大統領にジョナサン・シンフィールド氏が就任する。
国境が変化したのは旧日本だけではない。
朝鮮半島は南北統一し、朝鮮民国が建国された。首都は板門店。大統領は佐渡公国天皇の実姉、小林愛蘭氏、首相は竹川俊介氏。
またイスラエルは革命が起き、パレスチナ共和国を建国。中東情勢も予断を許さない。
アメリカ合衆国は分裂し、ロサンゼルスを首都とする西アメリカ共和国とニューヨークを首都とする東アメリカ共和国、さらにハワイ共和国がそれぞれ建国した。
この他、中国の東北三省では満州国独立の運動が盛り上がっている。
ヨーロッパではEUが解体。ウクライナとポーランドは合併の動きがある。




