表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ミクシードワールド ~神の作業帳~  作者: 早秋
第五章 神の作業帳
55/74

(1)高ランクアイテム

 第一エリアの第三段階を越えることが出来るようになったハジメたちは、今までと同じように役割を分担して活動することにした。

 ハジメとイリスは本拠点に残ってアイテムの作成および農地の管理、バネッサたちは第三エリアの調査だ。

 第一エリアの第三段階にあると言われている街の調査は、先延ばしすることになった。

 そもそも第一エリアの住人を探さなくても交流の街のやり取りで十分にやって行けるし、何よりも出てくるモンスターのレベルを考えると第三エリアの調査をした方が良いのだ。

 簡単に言えば、街の調査よりもバネッサたちのレベル上げを優先したことになる。

 第三エリアに関しては、ノームたちがいる場所からかなり離れたところまでの調査が進んでいるが、目新しい進展はない。

 そもそも坑道から抜け出すことすらできていないのだが、第三エリアが坑道を抜ける構造になっているかは不明である。

 掲示板を見る限りでは、第三エリアは第一エリアと違って閉じた狭い世界なのではないか、という見方も出てきている。

 もっとも、狭いといってもいま確認できている限りでは、歩きで十日以上の広さはありそうという話だ。

 ハジメたちの場合は、そもそもが坑道になっているわけで、直線距離で十日という目安が意味を成すかどうかも良く分からない状態だ。

 

 その掲示板に関してだが、一時運営が現れたと話題になっていた。

 残念ながら運営の姿(?)を見たのは一度きりだけだったらしいが、ようやくハジメたちプレイヤーが何者かの意思によって招かれたというのがきっちりと証明されたことになる。

 今更といえば今更なのだが。

 掲示板に現れた者が運営内でどういった立ち位置にいる者なのかは分かっていない。

 そもそも複数の存在で運営されているかも分からないのだ。

 相変わらずベールに包まれたままとも言えるが、はっきりとその存在が確認できたことはプレイヤーたちにとっては大きな意味がある。

 ・・・・・・はずだ、と言われていた。

 端末を中心にして出来ているシステムは、ハジメたちのいた世界のゲームを元に出来ているようにも見えるが、そもそも明確な「クリア」があるかもわかっていないのだ。

 クリアをしたらその先がどうなるのか、あるいはクリアそのものが無いのか。

 ハジメのように、ゲームの導入のように引き込まれたプレイヤーは「ある」と主張して、そうでないプレイヤーの中には「無い」と主張する者もいる。

 掲示板では時折そうした議論も起こっているのだ。

 運営の出現は、その論争に一石を投じたのは間違いないのである。

 とはいえ、そうした議論もあくまでもこの世界で生活していく上での一つのスパイスでしかない。

 多くの者たちは、自らの目的のために日々の生活を送っているのだ。

 ただひたすらアイテムを作り続けているハジメのように。

 

 ♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦

 

 イベントアイテムを作成している最中に<特級作成師>へと転職したハジメだが、職業の変更と共に次々と新しいアイテムが作成できるようになった。

 回復薬と高回復薬がAランクのものが作れるようになっていたうえに、さらにそれらの上位種である回復薬Exまで作れるようになったのだ。

 高回復薬が品質Aのものでも回復率が五十%を超えないのに対して、回復薬Exは品質Eのものでも五十%を超えていることからどれほど高性能かわかるだろう。

 もっとも、使い方によっては無駄が発生するので他の回復薬や高回復薬の需要が無くなるとはハジメも考えていない。

 基本的には、高回復薬が出て来たのと同じだ。

 さらに回復薬と並行して、魔力回復薬でも同じ物が作れるようになっている。

 魔力回復薬の上位アイテムは、魔力回復薬Exとなっている。

 

 ハジメが作ったそれぞれの<~Ex>を見たバネッサが、難しい顔で言った。

「また使いどころが難しい物を作ったわね」

 <~Ex>で作れたのはどちらも品質Cのものなのだが、回復率が70%だ。

 そこまでの回復するアイテムとなると、バネッサの言った通り使いどころが難しくなる。

 大きなダメージを食らった時くらいしか使い時が無いのだ。

 そうでなければ、折角全体イベントで、回復薬の消費を抑える努力をしたことが無駄になる。

「やっぱりそう思うか? まあ、どうしてもすぐに回復したいときには必要になるとは思うんだがな」

「それは勿論。でも、普段のときにそこまでダメージを与えられることってないわよ?」

 余程の無茶をしていない限りは、通常のフィールドで大きなダメージを負う事はほとんどない。

 逆にそれほどのダメージを負うという事は、攻略している場所が身の丈とあっていないという事だ。

「第三段階のイベントでダメージを負うこともあるだろうから、一定の需要はあるだろう?」

「それはそうね」

 ハジメの場合は、戦闘ではなくアイテムの作成でイベントを越えることが出来たが、これまでの報告がある限りでは戦闘組はもれなくフィールドボスとの戦闘が行われている。

 そうしたプレイヤーたちには需要があるだろうと見込んでいる。

 勿論、売れ行きを見た上でパティとも相談したうえで決めていくつもりだが、そこまで多く作っていくつもりはない。

「結局需要を見て生産数を決めるのは、どの製品も同じだからな」

 そう言って肩を竦めたハジメを見て、バネッサも頷いた。

 

 新しいアイテムが出来たのは、何も回復薬系統のものだけではない。

 ハジメが独自に作り出している香水に始まって、宝石を加工して作る装飾品まで様々だ。

 全体的に価値が高い物が作れるようになったのは良いのだが、その分価値の高い素材が必要になる。

 水晶はコツコツとイリスが第三エリアに潜って取ってくる分と、他のプレイヤーを呼び込んで取ってきている分があるので不足することは無い。

 それでも流石に、水晶だけではどうしようもないので、今では交流の街で仕入れているのが現状だった。

 水晶だけに限らず、他のものも仕入れに頼っているものが多くなっていた。

「せめて、鉱石くらいは別のものが手に入ればいいんだがな」

 第三エリアも第一エリアと同じように、他のプレイヤーが入れる場所には制限がある。

 ハジメの第三エリアで他のプレイヤーが入れるところは、ノームたちの拠点がある場所の手前までだ。

 その場所だと取れる鉱石が限られているので、今以上のものを手に入れるのが難しいのである。

 

 ハジメの言葉に、イリスが顔を暗くした。

「申し訳ありません。私がもっと鉱山に入れればいいのですが・・・・・・」

「いや、それは駄目だろ。イリスは農作業がメインだからな。これだけは仕方ない。どちらかと言えば、イリスに<採掘>を勧めた俺が悪い」

 ハジメがそう言って首を左右に振った。

 今のイリスは、完全に農作業とパティへの商品の卸に時間がとられて、他の作業をしている時間が無い。

 とはいえ、イリスの生産物がないとハジメの商品の主力となっている回復薬が作れなくなってしまうので、こればかりは止めるというわけにはいかないのだ。

「いっそのこと、私が覚えてみる?」

 二人の会話を聞いていたバネッサが、そう申し出て来た。

 ルフに<採掘>を覚えさせたとしてもつるはしなど持てるはずもないので意味がない。

 エイヤは種族も職業も腕力が伸びるものではない無いので、採掘に向いているかは甚だ疑問である。

 そうなると残っているのはバネッサしかいない。

 

 バネッサの提案を聞いたハジメは、腕を組んで考え込んだ。

「確かに現状を考えるとその方が良いんだがな」

「それに、私が採掘している間、エイヤが<精霊魔具作成>を上げられるわよ?」

「え? そうなのか?」

 首を傾げたハジメに、バネッサが頷いた。

「ええ。だって、第三エリアの奥に行っても結界石は有効だもの。護衛はルフだけで十分よ」

「いや、奥に進むのに人は必要だろう?」

 いくらなんでもルフとバネッサだけではノームたちの拠点より奥に進むのは難しいだろう、と考えてのハジメの言葉だったが、それに対してバネッサとエイヤは首を傾げた。

「そんなことはないわよ?」

「は!?」

 あっさりと返って来たその返事に、ハジメは思わず目を丸くした。

「ノームの拠点あたりならバネッサとルフだけで十分攻略できる」

「そうね。それに三人で奥に進んだとしても、鉱石掘る間は時間が空くからその間エイヤは拠点に戻ることもできるし」

「なるほどなあ」

 最近ではバネッサたちの様子をほとんど見ていなかったハジメが、納得したように頷いた。

 三人で第三エリアの奥まで行っていることは知っていたが、ノームたちの拠点の周辺でバネッサとルフだけで討伐が出来るとは思っていなかったのだ。

 

 バネッサとエイヤの説明に納得したハジメだったが、すぐにその表情を歪ませた。

「今の状況ならそれが最善なんだろうが、どう考えても場当たり的だよなあ」

「人数に制限がある以上、仕方ない」

 エイヤの冷静な突込みに、ハジメは苦笑した。

「それはそうなんだがな。やっぱり五人目のサポートキャラは必要だな」

「でも、未だに条件はわかっていないんでしょう?」

「そうなんだがな」

 バネッサの鋭い突込みに、ハジメが渋い顔になった。

 

 五人目のサポートキャラについては、掲示板内でも激しく議論がされている。

 そもそもいないんじゃないかという意見から、何か特殊な条件が必要なのではないかというものまで様々だ。

 ハジメとしては、条件があるのではないかと考えている派だが、全く以てその条件がわかっていないのが現状だ。

「せめてヒントだけでもわかればな」

 そう呟いてみたものの、条件などわかるはずもない。

「無い物ねだりをしても仕方ないわよ。今できる最善の事をやるんでしょう?」

 バネッサにそう言われて、ハジメは肩を竦めた。

「まあ、それしかないんだがな」

「そう言うわけだから、<採掘>を私に付けるわよ?」

「ああ、頼む」

 そもそもスキルに関しては、各個人で好きなように付けていくことになっている。

 バネッサが望むのであれば、ハジメとしても反対するつもりはない。

 <採掘>が必要なのも確かなのだ。

 バネッサが採掘をしている間エイヤが精霊魔具を作るとなると、パーティの戦闘能力が伸びなくなるがそれはそれで仕方がない。

 ハジメを中心にしている以上、パーティが生産よりになるのは当然の事と割り切るしかないのである。

 

 せっかくバネッサが<採掘>のスキルを持ったので、それを補佐するためのスキルをルフとバネッサに付けることになった。

 ハジメが言ったわけではなく、バネッサの提案だ。

 まず、鉱脈そのものを発見しやすくするためにルフに<発見>のスキルを、さらに、バネッサには掘った鉱石をその場で分類できるようにするために<鑑定>のスキルを付けた。

 第三エリアでの採掘が進むことを期待してスキルの付与を行ったが、これが吉と出るか凶と出るかは分からない。

 出来ることなら新しい鉱石の発見など、いい方向に転がってほしいと願うハジメであった。

 

 ♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦

 

 早速試してくる、と言ってバネッサがルフを連れてノームの拠点に採掘をしに向かった。

 いきなり結果を出すはずもないので、ハジメは気楽にやってくるように言っておいた。

 ルフとバネッサが出ている間、エイヤは予定通り精霊魔具作成をすることになった。

 これで、半分死にスキルとなっていたエイヤの<精霊魔具作成>も伸ばすことができるだろう。

 エイヤと二人で話した結果、完全に精霊魔具まで作ると時間がかかるので、スキルレベルが伸びるまでは精霊の力が付与された素材を作るところまでで止めておくことにしてある。

 バネッサたちも完全に採掘にシフトするわけではなく、エリアの攻略と合わせて半々くらいにする予定なのだ。

 中途半端に道具を作るよりもそちらの方がいいと判断したのだ。

 勿論、短時間で作れる物は作るつもりだとエイヤは言っていた。

 その辺は、完全に本人にお任せである。

 下手に第三者が口を挟むよりも間違いがない。

 

 ある程度の作業が終わったので、ハジメは裏庭で作業しているイリスの所に向かった。

 裏庭は既に拡張に拡張を重ねて、とっくに「庭」という規模を既に飛び越えて、大農園といった大きさになっている。

「あ、ハジメ様。どうかなさいましたか?」

 ハジメに気付いたイリスが、傍まで寄って来た。

「いや、何となく様子を見に来ただけだ」

「そうですか」

「それにしても・・・・・・」

「?」

「畑もずいぶんと広がったなあ」

 感慨深げにそう言ったハジメにたいして、イリスも目をわずかに細めて笑った。

「そうですね。最初は家庭菜園位の大きさでしたから」

「むしろ、この規模の畑をたった一人で管理している方が驚きだがな」

「いくら私でもスキルが無ければ無理ですけれどね」

 イリスのスキル構成は完全に農婦特化になっている。

 お陰でこの規模の畑を管理できているようなものだ。

 ただし、十分にそれだけの恩恵は受けている。

 イリス印の農産物は、相変わらず一部の者たちには大人気の商品なのだ。

 

 農地を見終わったハジメは、再びアイテムの作成作業に戻った。

 ハジメ自身にもまだまだ作りたい新しいアイテムがある。

 そのためにも日々の研鑽は大事なのである。

 名前:ハジメ

 種族:ヒューマン(人間)

 職業:特級作成師LV7(3up)

 体力 :4973(+182)

 魔力 :8070(+303)

 力  :594(+30)

 素早さ:731(+33)

 器用 :1501(+70)

 知力 :877(+43)

 精神力:1103(+53)

 運  :20

 スキル:上級調合LV12、上級魔力付与LV13(1up)、魔付調合LV12、鑑定LV20(master!)、俊敏LV14、短剣術LV11、槍術LV4、風魔法LV15、地魔法LV15、水魔法LV15、

     火魔法LV15、収納LV20(master!)、宝石加工LV20(master!)、装飾作成LV17(1up)、光魔法LV16(1up)、闇魔法LV16(1up)、錬金術LV17(1up)、気配察知LV4、魔力操作LV16(1up)、空き×6(1up)

 職業スキル:短縮作成

 

 名前:ルフ

 種族:フェンリル

 職業:魔狼LV28(2up)

 体力 :9628(+261)

 魔力 :3914(+140)

 力  :1115(+41)

 素早さ:640(+24)

 器用 :331(+12)

 知力 :349(+15)

 精神力:384(+15)

 運  :10

 スキル:牙撃LV19、激爪LV16、威圧LV19(1up)、俊敏LV18、気配察知LV20(master!)、収納LV18(1up)、火魔法LV16、魔力操作LV18、報酬LV18(1up)、

     体当たりLV17(1up)、水魔法LV16、風魔法LV14(1up)、土魔法LV14(1up)、遠距離走法LV11(1up)、隠密LV13(1up)、発見LV3(New!→2up)、空き×3

 職業スキル:遠吠え

 固有スキル:鋭敏な鼻

 

 名前:イリス

 種族:牛獣人

 職業:農婦ファーマー(達人)LV14(3up)

 体力 :7164(+392)

 魔力 :4191(+240)

 力  :577(+42)

 素早さ:284(+25)

 器用 :620(+40)

 知力 :387(+33)

 精神力:533(+43)

 運  :10

 スキル:上級栽培LV13(1up)、料理LV20(master!)、棍棒術LV12、怪力LV18、採取LV20(master!)、成長促進LV20(master!)、水魔法LV20(master!)、採掘LV9、

     地魔法LV19、収納LV18(1up)、収穫LV18(1up)、体術LV6、魔力操作LV13(1up)、交渉LV9(1up)、鑑定LV7(1up)、空き×5

 職業スキル:種子作成、農地管理

 固有スキル:緑の手

 

 名前:バネッサ

 種族:アマゾネス

 職業:戦乙女LV31(2up)

 体力 :7470(+241)

 魔力 :4240(+162)

 力  :750(+32)

 素早さ:569(+26)

 器用 :450(+22)

 知力 :539(+24)

 精神力:412(+21)

 運  :10

 スキル:上級剣術LV3(1up)、槍術LV18、弓術LV18(1up)、体術LV20(master!)、火魔法LV17、風魔法LV17、水魔法LV11(1up)、地魔法LV11(1up)、

     魔力操作LV19、収納LV17(1up)、解体LV14、鷹の眼LV15、俊敏LV12(1up)、採掘LV3(New!→2up)、鑑定LV3(New!→2up)、空き×2(1up)

 

 名前:エイヤ

 種族:ダークエルフ

 職業:魔導士LV21(2up)

 体力 :2023(+121)

 魔力 :5564(+282)

 力  :301(+14)

 素早さ:355(+17)

 器用 :510(+24)

 知力 :615(+27)

 精神力:436(+21)

 運  :10

 スキル:火魔法LV20(master!)、風魔法LV20(master!)、土魔法LV16、水魔法LV16、精霊術LV20(master!)、弓術LV12、鷹の目LV14(1up)、魔力操作LV20(master!)、

     料理LV14、精霊魔具作成LV10(2up)、交渉LV4(1up)、空き×5(1up)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ