第八話
さて、旅に出るのはいいが目的地はどうしようか。デカい本関係の施設のある所って言えば、王都とか学園都市とかみたいなもんだと相場が決まっている。
かと言ってギルド周辺の人に尋ねようとすると、何故か知らないが逃げられた。ばかな。
受付の人に聞くにしても、怯えられてるから仕事以外で話しかけるのもなぁ。
街に入る時にはほとんど使わなかった田舎者設定を駆使し、あの時の門番さんに王都の場所を聞けたのは、それから二日後だった。
二日間の仕事でギルドカードの色が青に変わった。500ポイントで緑から青か。次はどれくらいだろうね。レベルも4つ上がってウハウハだ。
13ポイントを使って自動再生のレベルを5に、物理貫通、無効を4に上げる。これだけあればギリ○カラが出てきても大丈夫だろう。そう思いたい。
明日は王都に向けて出発だ。俺の冒険はこれからだ!大事なことなので二回言うぜ!
********************
旅なんて余裕、そう思っていた時期が僕にもありました。
準備もしっかり整え、身体能力や生活魔法まで持っていても勝てない敵がいたのだ。
一人で歩いてると、道のりが合っているか凄く不安にならない?なるよね?
街ですら少なかった会話すら無くなり自然の音くらいしか聞こえない中、ただひたすら歩くだけとか何の拷問だよ、寂しいわ。
途中村や街を経由しなければ一週間で行けるって言ってたが、二日で着いた。別に走ったわけじゃない。早歩きしかしていない。
日のある内は歩いて、日が落ちたら寝袋に包まって道の脇で寝る。腹が減ったら飯を食う。そんなこんなで昼を少し過ぎた位に着いた。
王都についた後で、もっとゆっくり街道を歩いていれば何かこうイベント的な物に遭遇できていたかもしれないと後悔した。もっと楽しく生きよう。
王都の門番は素通りさせてくれた。テンプレなんて無かったんや。身分証?なにそれおいしいの?
ワイワイガヤガヤという人の生活音がこんなにも頼もしいなんて知らなかった。こんな気持ちで歩くのは始めて、もう何も怖くない!
取り敢えず寝泊まりする場所を探すべく、聞き込みを開始する。昔どっかでこんな時は冒険者みたいな人とか王都の暮らしが長そうなおっさんがオススメだと聞いた気がする。
道ゆく人を眺めつつ丁度良さそうなおっさんに話しかけると、実に快く教えてくれた。気持ちのいいおっさんだ。直ぐに別れたが。
勧められた宿にいくと、結構良さそうな宿だった。宿代が一泊百二十ゴールドとあの街の宿より高かったが、大体のシステムは同じようだ。受付は若いお兄さんだった。
「取り敢えず一ヶ月で。」
「かしこまりました。料金三千六百ゴールドになりますがよろしいですか?……はい、確かに。鍵はこれです。無くさないよう気をつけてください。」
料金で財産の三割以上が消し飛ぶ。ま、まあまた稼げばいいだけだし。
「ところで、図書館ってどこにありますかね?」
「図書館ですか?ええと……」
場所と入場料に十ゴールド掛かる事を教えてもらう。金掛かるのか、今日は寝て明日朝早くから行くべきかな。ギルドや王都の観光はその後でいいや。
昼過ぎの宿から眺める街並みは、中世位というのか、ぶっちゃけ建築様式なんて全く知らんし興味もないからわからないが、だいたいそんな感じだった。
取り敢えずファンタジーっぽい街並みと言えば良いのだろうか、人が少ないわけでもなく、かといって都会みたいに多すぎる訳でもない。ある程度似通った服を着て歩いてる。
たまに混じっている鎧やローブは冒険者やらなんやらなんだろう。しっかしケモミミもドワーフもエルフも見ないね。いなかったらどうしようか。取り敢えず泣くかな。
ボケーっとしていると食事の時間になった。下に降りて一人で飯を食う。部屋に戻ってスッキリしてベッドに入る。
……本気でボッチ化が進行してるんだけど、どうしたらいいかな。巧探しを本気ですべきだろうか。そんなことを思いながら寝た。




