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第二十七話

さっきの門番さんにギルドの場所を聞く。しっかり答えてくれるあたり流石門番さんだ。残念ローブが君も知らないんじゃないかーとか言っていたが、無視だ無視。俺だってこの町に来るのは初めてだっつーの。


商隊との合流?入ってきたのと反対の門に明日の朝集合でいいって言われたし、その点に抜かりはない。仕事をほっぽり出して漫才をしていたわけではないのである。町中でも護衛しているとボーナスだかチップだかがある町もあるってケインさんが言っていたが、この町はそうじゃないらしいし。


残念を連れてギルドに向かう。見た感じ子ども(って扱いだったしそれでいいよな?)と怪しいローブの二人組、しかもローブのほうが小さいから周りから見たら怪しさ満点な気もする。全部ローブが悪いな、うん。


ギルドに着くと大体最初に行ったギルドと同じ感じだった。今回はあの時と違ってゴロツキは居なかったけどな。


「すみませ~ん。」

「はい、ギルドに何の御用ですか?ご依頼ですか?」

「コレの登録をしたいけど、いいかな?」

「登録……ですか?大丈夫ですよ。では説明させてもらいますね。」


コレってなんだ!と騒ごうとする残念を黙らせて説明を聞かせる。受付嬢は普通に説明を続けていく。涙目受付なんて無かったんや。


無事に登録も終わり、残念が緑のカードを持ってはしゃいでいる。下っ端になって喜ぶとか、ランクA()とは何だったのだろう。一々残念だ。一度そう思うと何でも残念に思えるからびっくりだ。


「じゃあせっかくこの世界で会えたわけだし、通信機能の連絡先交換をしようか。」


スマホとかタブレットみたいだよねーと言いながら残念がそんなことを言い出す。


「連絡先交換?」

「えっ?カードの機能だろう?もしかして……」


言ったローブがかわいそうなものを見ていますってオーラを出してくる。くっそ、ぼっちなんかじゃないやい。そんな機能の存在を知らなかっただけだい。


「おふたりとも初めてのようですし、よかったらお見せしながら説明しましょうか?」

「あ、お願いします。」


受付嬢の親切に残念が乗っかる。まるでこんな機能の事も知らなかったんだから、君のランクも大したこと無いなふふん、さっさと出し給えって思っているオーラだ。ええい残念め、目にもの見せてくれる。


「じゃあはい、俺のカード。説明よろしくね。」

「はい……ってこれは!」

「虹色ってことは……最高ランク!」


がばっとこっちを見る二人。よせやい、照れるじゃないか。そんなに見つめるなよ。おい、その最高ランクなのに友達居ないんですねってオーラをヤメロ!


「失礼しましたっ!虹の方だとは思わずにっ」

「いや、そんな大したもんじゃないから。かしこまらずに普通に説明を……」

「ただいま上の者を呼んで参りますので」

「ホントやめてくださいって」


そんな偉いもんじゃないってば。この後説得まで少々時間がかかったが、何とか理解してもらえた。


「ではまずここの四角いところに触れて、メニューから……」

「ふむふむ、なるほど。」


交換中チラチラとこっちを確認しているが、俺は何も喋らない。こんな時どうしたらいいのかわからないの。笑い出したら変な奴にしか思われないしね。


「これで交換は終了です。通信の際には先ほどと同じように四角いところに触れて、メニューから……」

「ふむふむ、なるほど。」


どう考えても端末です、本当に有難うございます。というか色が勝手に変わる不思議材質に便利機能とか、異世界テクノロジーって本当に進んでるところは進んでるな。


返してもらったカードの丸い所からからホログラムみたいなのが出て来て、通話の際にはこの画像に向かってとかの説明のあたりから、深く考えるのはやめた。異世界ってすごい。それでいいじゃないか、ファンタジーなんだから。


「これで説明は終わりです。」

「ふむふむ、なるほど。」

「……うん、よくわかった。ありがとうね。」


さっきから同じことしか言っていない残念を連れてギルドを出る。適当に宿でもとって、そこで話すことにしよう。

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