第二十五話
新年明けましておめでとうございます!今年もよろしくお願いします!
皆様が良い年を迎え、送る事を願っています。
二日後の夕方少し前に町に着いた。と言っても目的のドワーフの国ではなくまだヒトの国の町らしい。昨日の夜食料がきついって嘆いていた盗賊の連中ともここでお別れだ。ケインさんに聞いた話では前科次第では胴体と首がお別れになる奴も居るのかもしれないそうだ。やっぱり悪いことはするもんじゃないね。
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「やっぱり悪いことをするものじゃないね。かごの中は退屈だったよ。」
「あ、先生もですかぃ?あっしらも、大先生を撃ったライルいじりも一ん日で終わっちまいやしたし、暇で暇で」
一人を除き盗賊団の全員がうんうんと頷いている。頷いていない奴は覚えてる顔だ。いじられてたのか、ざまぁ。というか……
「まさか全員初犯だったとは思わなかったよ。」
「言ったじゃないか、初犯だって。」
「言ってたけども。あんただけかと思ったよ!」
声を荒らげたらビクッと(誰得か知らんが盗賊連中含め、だ)したので、怒っていないとアピールしておく。確かに大魔王的なイメージで捕まえたし、仕方ないか。大先生になるつもりはないが。
町についた商隊は、今日はここで物資補給と休憩をしてから出発するそうで宿をとったりしに先に町に入っていった。俺は町の入口で捕まえた連中の前科を調べていたわけだ。実際に調べたのは門番さんだが。
罪人だったらここで引き渡し、無罪なら俺の預かりって形でOKと、護衛含む商隊の皆さんとお話をしていたんだが、まさか全員俺預かりとは思わなかったよ。誰だ、殺すとか奴隷とか言ってた奴は。フラグだったじゃないか、ちくしょう。
「そういえば、なんで盗賊なんてしようと思ったんだ?」
「そっ、それはだねぇ「それはあっしが説明しやしょう。」ちょっ。」
ローブが何か言おうとしたが、親分が説明してくれた。簡単にまとめれば
1、親分原っぱにてパーティーで狩りの途中ローブと遭遇
2、ローブの魔法の凄さに勧誘……しようと思ったら、盗賊と勘違いされる
3、魔法を見て集まった連中の証言もあり、誤解が解ける。
4、意気投合。ローブ魔物を(周囲一帯ごと)焼き払って宴会を提案
5、酔った勢いでこれだけ魔法が凄ければ世界一強いとか始まる
6、何故か盗賊団結成!
ということらしい。酒って怖い、俺はそう思った。つーかどうやったらそうなるんだよ。特に4と6!
ローブの方を見たら明後日の方向を見ていた。しばらく睨んでいると、居心地悪そうにもじもじし始めた。大方元凶はローブか。
「しかしアレだね、これからどうしようかね?」
露骨に話を逸そうとするローブ。まあいいか。
「どうするって?」
「いや、僕ら全員どちらかと言えば金欠でこんなことしたわけだろ?」
「えっ?先生金欠だったんですかぃ?」
「えっ?」
「えっ?」
どうやったってコントが始まるのか、こいつらは。俺だってまだ高校生だけどお前らより分別とかエアリーディングとか出来るよ。
「じゃあ盗賊団連中は解散してもなんの問題もないってこと?」
「へい、大先生の仰るとおりっすね。ここしばらくの先生との訓練中も魔物を狩ってやしたし、なんの問題もありやせん。」
「え?そんなことしてたのかい?」
「先生はよっぽどの大魔法使いの方でしょうし、金には困ってないのかなぁ、と。」
「カツカツだよ!魔物を狩って得たお金は食費服代水代宿代にどんどん消えていくし。」
「えっ?アレだけの魔法が使えりゃぁギルドの依頼で随分稼げやせんかい?」
「ギルド?」
「えっ?」
「えっ?」
「えっ?」
「……もしかして先生、ギルドに登録してねぇんですかい?」
「ギ、ギルドね。あーうんもちろん知ってるよ。私のランクだってB位だよ。何を言っているんだいまるで僕が世間知らずみたいにはははー」
……駄目だこいつ、早く何とかしないと。




