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第二十三話

とりあえず、せっかく相手が自分の能力を見せてくれたわけだし、こちらも同じようにするべきでは無いだろうか?それに一度言ってみたかったセリフもあるしね!


そのためには何と言うか、インパクトというか、つかみみたいなものをしっかりさせておきたい。なんか商人さんたちから若干のあきらめムードも漂ってきてるけど、ここは空気の流れを変えるところだもんな、多分。


インパクトのある登場と言うと、どんなのがあるだろうか。いきなり空中で座りながら拍手とか、いかにもって感じでいいかな。よし、それで行こう。持ってて良かった空間魔法!


「いやぁー、いつみても先生の魔法はすげぇなぁ。ランク金の冒険者だって手も足も出ないでしょうなぁ。」

「まったく、君はもっとどっしりとボスっぽく構えてないとダメでしょ。」

「そうですかぃ?」


空中で準備完了したが、あいつらは本当になんで漫才をしているんだ?いや、こっちもネタに走るわけだし、人のことは言えないか。


パチパチパチと、そこそこ大きな拍手の音を周りにひびかせる。ここ重要だよね。


「なんだぁ?ってありゃぁ人が浮いてるんですかぃ?」

「なんだ?拍手なんかして、降参の表し方にしては随分と高い所から見下ろしてくれるじゃないか。……うん?あの外見は……」

「いやいや、なかなかいい見世物だったよ。あの火の玉もなかなかの威力だったし、食料と水は持っていてもいいなんて、実にいいセリフだ、感動的じゃぁないか。」


手を上げて火の玉なんて今のこれには合っていないし、適当に指パッチンをしてさっきのローブの推定全力火の玉のざっと五倍くらいの火の玉を、見た感じ相手のこぶし大のものと同じくらいの数ほど空に浮かべる。やたらでかいから結構迫力満点だ。空が火事に見える。


「だが無意味だ。……うーん、そうだなぁ。」


なんか唖然としている相手を放置して、空気にトドメをさそう!ぐるっと囲んでいる連中を更にグルっと火の玉で囲み、ついでに一発更に大きめのものを作って遠くに落としておく。さあ、ドヤ顔で言わせてもらおう。


「今のはメラゾーマではない、メラだ。それと、君たちは既に包囲されている。命が惜しくば速やかに武器を捨て「投降します!」お、おう。」

「ちょ、先生!あっしら盗賊ですぜ?良くて奴隷、普通なら殺されちまいまさぁ。」

「えっ、本当?じゃあどうすればいいのさ!」

「なんとかいつもみたいに姿を消して逃げやしょう。」


ローブはちらっとこっちを見た後、またぶつぶつと何かを言う。すると、さっきまで泣きそうになっていた周囲の山……盗賊まで含めて姿が消える。ああ、こうやって馬車に近づいてきてたのか。


ローブはほぼ確実に日本人だし、逃げられるのも嫌だな。そう思って生命探知のスキルで探したら、全然どこにいるか丸わかりだった。


進行方向と思しき方にワープして、居る方向に向かって声をかける。


「あっはっはっはっは、どこへいこうというのかね」

「ひぁっ、バルス、バルス!」


驚いたせいか魔法が切れている。さっきの火の玉を見るからに火魔法を取ったんだろうし、きっと熱で光をねじ曲げてーみたいなイメージで屈折により姿を隠していたんだろう。なるほど、そういうのもあるのか。


「くそ、おい、誰か弓はねえのか!」

「う、うわぁぁぁ」


さっきの親分が確認をとった瞬間、ぱっと構えた子分その一が弓を撃ってくる。慌てている割には正確な射撃だ。きっと弓関連のスキルでもとってるんだろう。集中する前に身体に当って……結構な勢いがあったにも関わらず、刺さらずに跳ね返る。ちょっとチクっとしたなぁ。顔覚えたぞ。


「先に手を出してきたのはそっちですし?いくら一発でもこれは誤射じゃないよね?やられたらやり返す、連帯責任だ!」

「待ってぇぇぇぇぇぇ!話し合い、話しあいましょう!おおお落ち着いて話せば分かる、暴力反対!」


ローブが物凄い慌てている。どう考えてもトリッパー確定なのはいいとして、むしろ向こうが落ち着い着いたほうがいい。


「もうだめだぁー」

「おしまいだぁー」


絶望って感じでへたり込む盗賊たち。親分もあ、これは駄目だって顔でこっちを見ている。おいおい、俺まだ全力の……多分三割も使ってねえよ?わりと適当だけどさ。


「諦めんなよ、熱くなれよ。お前らそれでも盗賊かよ。もしかしたら勝てる未来がワンチャン無きにしもある可能性が残っていたらいいね。」

「ホント降伏するんで助けてください。生きたまま焼かれるのも、こんな所で死ぬのもいやだー。」


全く、最初から素直にそうすればいいのに。ローブとはお話するとして、他の連中はどうしようかな。他の護衛の連中に任せればいいのかな?

物理で殴っていない?逆に考えるんだ、物理で殴ったらどうなるか想像した上で、ヒロイン候補がどうなってもいいのか考えるんだ。


いや、別にローブがヒロイン候補だなんて言ってませんよ?もしかしたら声が高い丁寧語の男性かも知れないじゃないですか!(逆ギレ)

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