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第二十一話

とかく絡んでくるんならそれなりの対応を考えるべきではある。これからしばらくは依頼で一緒に仕事をするんだから、再起不能になってもらったりは困る。まあ無理にでも回復させれば死なない限り大丈夫かな?


一般人の普通の感性で言えば、いきなり発火させるとか空間ごとねじ切るとかはまず除外、と言うかあまり加減がわかっていないしミスってもまずいので魔法は使わない方向で行くか。


相手は革鎧的なものを着たどちらかと言えば軽装な感じで、武器は……今抜いたのは刃渡りが腕くらいの長さの普通の剣かな?鉄か鋼鉄製っぽい色をしている。こっちの銅の剣とは大違いだ。やっぱり着替えとかだけじゃなくて武器も新調すべきだったか。


というか相手が格下だと思ってんなら武器を抜くなよ。あん時の……えぇと……なんかご飯に関係してそうな名前のおっさんだって素手で来たのに。あれか、最近の切れやすい若者ってやつか。三十はとうに過ぎてそうだけど。


「らぁあぁあぁぁ」


なんか若干不安定な雄叫びとともに突っ込んでくる。そこそこ速いがまぁ、集中すれば見てから回避余裕でしたってやつだ。どうせならと思いスタイリッシュ紙一重回避に挑戦してみた。


まっすぐに振り下ろされる剣を、まあ結局若干怖かったので三センチほど余裕を持って回避する。と、無理に軌道を変えたような弧を描いて足の方に迫ってきたので、適当に踏みつけておく。


適当に踏んだんだが、チンピラは剣を手から離して殴りかかろうとしていた。流石に現役冒険者というか高ランク冒険者というか、普通に戦えば経験の差とかそういうもので負けてたんだろう。だが無意味だ。


とりあえず後ろに回って蹴り倒しておく。転けたところに足をおいておくのも忘れない。こういう時はどっちが上かをはっきりさせておくべきだってどっかで聞いた気がする。あれ?動物の躾だったかな?まあいいや。


危うくHPがなくなりかけていたが、回復しつつグリグリと踏みつける。結構痛いだろうがまあ俺が痛いわけでもないし問題ないだろう。そもそも喧嘩を売ってきたのはこいつだし、単純な正当防衛だよな!


「うぁぁぁぁぁぁいてぇぇぇぁぁぁ」


なんかやたら痛がっているが、まあ回復しながらだから最大HPを超えたダメージ分の痛みを味わっているんだろう。剣まで抜いて突っ込んだにしては情けない結果だな、うん。チンピラに話しかける。


「自分より弱いと思ったガキに突っ込んだ挙句フルボッコの返り討ちとか、ねえ今どんな気持ち?ねえ今どんな気持ち?」

「やめてくれぇ!死ぬぅ!死んじまうぅ!」

「大丈夫!死ぬ前に回復してやっから。」

「済まなかったぁ!頼むからやめてくれぇ!」


何と言うか、ネタに反応してくれる奴が居ないと寂しい物があるな、うん。それに実力も分かって貰えたろうし、この辺でいいか。


足を離して離れておく。なんか汗だくでガタガタ震えてるけど、そんなにひどいことをしただろうか?男ならもっとこらえ性とか持ってもらいたいものである。別に拷問にかけたわけでもあるまいに。


「で、これで認めてもらえたっす?」

「あ、ああ。問題ないさ。」


チンピラではなくケインさんが答える。周りも見えなかったとか動作は素人なのにとかこそこそ言っているが、まあ認めてもらえたってことでいいのかな?


「じゃあケインさん、お話の続きをどぞー」

「いや、ランクの高いショウが指揮をとったほうが……」

「いやいや、俺そういうのには向いてないというか、やったこと無いんで。」

「そ、そうか。わかった。」


そうして出発までに話し合いはしっかり終わった。何故か夜番が少なかったが、有難いし遠慮せずに寝ることにしよう。

争いは同じレベルの者同士でしか起きない!


爪と指の間に針をぶち込むとか、膝裏からかかとまでナイフでかっさばくとかを拷問としてイメージしている昇ですが、死ぬ以上の痛みを死ねないまま味わうってそれ以上の拷問の気しかしません。

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