第十七話
まあ不毛な会話はそこまでで、今回の狩りの成果の報酬をもらうことになった。
「これだけ有れば一生遊んで暮らせそうじゃのう。それとギルドランクが虹に上がったぞい。」
「なんだかポンポン上がるなぁ。もっと上のランクとか無いんすか?」
「たったニ日でこんなに上がる人間なんぞおらんからのぉ、そもそも虹なんて余程のベテランが長い年月頑張って到達するランクじゃし。」
確かにドラゴンを狩れる個人なんて居なかっただろうし、それなら納得できる。それにしても、今朝の人……ヘなんとかさんみたいな能力でランク金になれてるんなら、ギルドランクでの評価ってあまり信用しないほうがいいのかもしれないのか?
「虹はまだいいとして、金ってレベルがどれくらいでなれるものなんすか?」
「まだいいってなんじゃ?まあ、大体早くて6、7なら到達しておるじゃろうな。」
「そんなもんすか。」
じゃあやっぱりレベル的には問題ないのか。上から二番目なんだからもっと強いかと思ってたけど、やっぱりこの世界的には俺が異常に強いだけなのか?あとトリッパー連中もそうかもしれんが。
「ああ、そういえば気になることがあるんすけど……」
「なんじゃ?」
「なんで係の人じゃなくてギルドマスターさんが俺の応対してるんすか?それのせいかパーティーの勧誘とか決闘の申し込みがきてびっくりしたんすけど。」
「お主のやった成果を知っていて二人で話そうと思う職員がおらんかっただけじゃよ。まあ、よっぽど強いとかそういう次元じゃないような、それも為人を知らない奴に近づきたがるなんて普通じゃないわい。」
「その上人じゃない疑惑も出てる、と?」
「わかっとるんなら聞かんでも良かろうに……で、勧誘なんかは受けたんかのぉ?」
「いやぁ、やっぱり実力が釣り合った人とか突出した能力のある人じゃないと……ね?」
言ったら呆れたような、かわいそうなものを見る目で見られた。まるでそんなもんいねーよとでも言っているかのような目つきだ。
「……まあええじゃろ。それと、世界中の関連機関にお主のことを連絡させてもらったんじゃが、問題あったかの?」
「……なにゆえ?」
「今まで有名になったこともなく、全くの突然に全く素性の分からん子供がたったニ日で、いや登録自体はもう少し前かの、ともかく短い期間でこれだけの成果を出したんじゃからの、連絡くらい必要じゃろう。下手すると各国の王やギルドマスター、その他の代表が集まって議論する必要のある状況なんじゃが、理解しとるかの?」
「そんな状況だったんすか?」
「どんな集団だってドラゴンを一人で狩れる人間を宙ぶらりんにはしておきたくはなかろうて。ましてそれが全力だという保証もないんじゃ、当然じゃろう。」
ちょっとやり過ぎた……のかな?ま、まあ問題無いと思いたい。それにしても、簡単に連絡とか出来るんだな。やっぱり偉い人だからなんだろうか?それとも通信手段が結構あるんだろうか?
「まあ後ろ暗いこともないっすし、問題無いっす。」
「そう言ってくれると有難いのぉ。そういえばさっきの話なんじゃが」
「さっきの話?」
「突出した能力のある人って奴なんじゃが、そういえば最近度々耳にするのぅ。」
「詳しく教えてもらってもいいっすか?」
「よほど腕がいいのか何でも切れると豪語して、実際に切れないものがなかった剣士とか、聞いたことのない、覚えれないスキルを使う術師……と呼んでよいか分からん奴がおるそうじゃ。それも皆聞いたことのない名前での、なぜ今まで名が売れなんだか分からん連中だそうじゃ。」
「へぇ、そうなんすか。」
どう考えても他のトリッパーなんだろうな。考えてみればあの会場に居たのはどちらかと言えば俺より年上のおっさんが多かっただろうし、わざわざおっさんと仲良くなりたいとは思わないな。
そもそも考えてみれば、俺の最初の目標はこの世界で楽しく生きることだった気がする。ボッチが楽しいかと聞かれればNOだが、おっさんに囲まれて楽しいかと言われてもNOだろう。やっぱりトリッパーとパーティーを組むのも考えものだ。




