第十四話
しばらくすると、特に問題なく報酬をもらうことが出来た。受け取る際に手首にチクっとした痛みがあった気がしたり、渡したギルドマスターさんが
「やはりのぅ……」
とか言っていた気がしたが、まあ全部無視しておいた。
「それから、ギルドランクは金まで上がるからの。もっとも、アレを倒して来おった上に、ほかにも色々とやらかしておったからの、簡単に上がるじゃろうて。」
まあ、赤と黒、それに銀の三つを飛ばして金になったが、結局どのくらいのポイントでランクが上がるのか分からなかったな。
「……金といえば、超が幾つかつくレベルの一流が死に物狂いで寝る間も惜しみ、効率よくやって四年位かかってやっと、というレベルなんじゃがのぅ。ま、それはともかくアレの素材はギルドで買い取らせてもらっていいんじゃろう?」
「さくっと流したけどいいんかい?まあ知り合いに俺は一流の鍛冶屋だーとかドラゴンの素材欲しいーとかもいないし、問題ないさ。」
別にそんな変な知り合いどころか普通の知り合いもいないが、それを言うと悲しくなるからやめて下さい。
そんなこともあってギルドを出たのは日が落ちた後だった。お金はやたらもらえたし、ランクも金まで上がった。なんだか終始青ざめていた気もしないでもない受付の人あたりがドラゴンについての噂でも広めてくれたらいいんだけど、まあもう少しレベルを上げてドラゴンを楽にころがせるようになったら堂々とドラゴンスレイヤーでも名乗ろうか。……恥ずかしいから没だな。
なんてことを考えながら、宿に帰って飯を食って寝る。このとき、もう少しでも周りに気を配っていたり、ギルドマスターのおじいさんが出てきていた事を周りも見れていた、と言う事の意味を考えておけば、明日以降の面倒は避けれていたのかもしれない。いや。無理か。
********************
「そこのお前、ちょっといいか?」
翌日、ぶっちゃけ大金も手に入ったし遊んで暮らせるなーでも娯楽とか知らないなー等考えながらレベル上げに出発しようとすると、突然なんだかいい感じの鎧を装備したおじさんに声をかけられた。
「はい、なんです?」
「昨日ギルドマスターと話していただろう?その若さで目をかけてもらえるたぁ大したもんだ。俺はヘンケル、お前の名前は?」
「昇ですが……」
「ショウか。じゃあショウ、早速だが俺のパーティーに入らないか?俺の他には魔法使いのジェイクに……」
どうやらパーティーの勧誘のようだ。確かにボッチだし、仲間も欲しいとは思うが、
・名前 ヘンケル
・種族 ヒト
・レベル 7 (9652437/20480000)
・HP 1440/1440
・MP 900/900
・力 72 (8×9) ■■□□□
・体力 72 (8×9) ■■■□□
・器用 54 (6×9) ■□□□□
・俊敏 63 (7×9) ■■□□□
・魔力 45 (5×9) □□□□□
こんなに俺と普通の冒険者で性能の差があるとは思わなかった…!こんなんじゃ俺、パーティー組みたくなくなっちまうよ……などとぼけている場合じゃないが、これほど差があるとパーティーなんて組んでも意味ない、どころか足手まといになるだろう。それにしても、普通だとこんなに経験値が必要になるんだな。ドラゴンの時はやたら9が並んでる程度にしか見ていなかったが、こう落ち着いた時に見ると差がはっきりと分かる。
「それに俺たちのランクは金だ。色々と勉強にな」
「すんません、お断りさせていただきます。」
そう言ってさっさと街の外に向かう。まだ何か言っているが、どうせ興味のわく内容でもなさそうだし、元の世界の人間がパーティーにいる訳でもなさそうだ。トリッパーって言うとなんだか危ない白い粉でうへへーってなっているっぽく聞こえるが、まあトリッパーならステータスが低くてもチートがあるだろうから仲間になっておきたいと思える。
街を出るまでに似たような勧誘が三件、謎の決闘申し込みがニ件もあった。全部断ったが、なんだかこれからも続きそうな気配を放っていた。まあ街から出ればさっさと撒いてしまえるからいいんだが、街の中だと至極めんどくさい。何かいい解決法は無いかと考えつつ、中央山脈のふもとで狩りをすることにした。街の周辺だとめんどくさいことになるかもしれないし、ここならドラゴンには及ばずともいい金&ポイント稼ぎになるしね。




