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第十三話

いつから高性能な義足をチートで作ると錯覚していた!

目を覚ますと、なんだかゴツゴツとした場所で寝ていることに気づいた。寝心地が悪いどころか、体中が痛い。


「あれ?俺なんでこんなところで……!」


直後、意識を失う前のことを思い出し、右足を見ると


「あれ?全然生えてる?」


ズボンこそダメージルックなナウでヤングな若い人でもここまではしないだろうって感じになってるし靴も履いていないが、きれいな足がしっかり生えている。


「夢?幻覚?いや、それにしてはあまりにもリアルだったし……」


手がかりはないかとあたりを見回すが、赤い水たまりが右膝の下に出来ている以外特に以上はない。


「って、血だまり?」


触ってみると妙にベトついて、なんだか気持ち悪くなってくる匂いもしてきた。


「しかし、血だまりがまだ固まっていないってことは、そんなに時間は立ってないってことか?じゃあなんで右足が自動で治って……」


絶句したっ!自分で回復手段として覚えたスキルのことを忘れていたことに絶句した!


要は気絶している間に自動再生のスキルで勝手に治ったってことだろう。四肢欠損位なら治るとか、なにそれこわい。もしかして死ななければ全快できるとかそういう便利なスキルだったんだろうか?自分の先見の明に敬意を表する。


「にしても、ドラゴンってこんなに強かったのか。いやぁ死ぬかと思った。もう少しレベルを上げないと無理かな?これは。」


昇は気づいていないが、そもそもこのドラゴンはレベル15、つまり発見され情報が広まれば、そのまま神話の再来とか人類滅亡の危機とか、そういう規模の騒動の起こる危険すらある魔物だった。それをこの短時間、それも一人で倒せている時点で少なくとも人類の確認している魔物相手なら問題ないなんてレベルじゃないので、無理なんて言葉はジョークにすらなっていない。


「服もぼろぼろだし靴も片方無くなっちまったなぁ。とりあえず今日は帰りますか。」


よっという掛け声とともに立ち上がる。ふっと思い出したのでドラゴンからどれくらい経験値がもらえたか見るためにステータスを確認する。



・名前 ヒラヤス ショウ

・種族 ヒト

・レベル 19 (50/100)

・HP 102060/102060

・MP 28748/29160

・力 6561 (9×729) ■□□□□

・体力 5103 (7×729) ■□□□□

・器用 5832 (8×729) □□□□□

・俊敏 5103 (7×729) ■■□□□

・魔力 1458 (2×729) ■□□□□



「あれ?俺の記憶が正しければ、さっきは48だったはずなんだけど……もしかしなくても、これだけ頑張ってたったの2?」


当初の目的が主にパーティー募集のための名声、次に金だったので確かにレベル上げは目的ではなかったが……


「これはテンション下がるわぁ。マジねぇわぁ。」


がっくりと肩を落とし、とぼとぼと王都に帰るのであった。



********************



王都に帰ると、まず門番さんに呼び止められた。見るからに不審な人物だったらしく、少々長い間拘束された。


「で、予備の装備とか、服とか無いの?」

「はい、すんません。」


全身コゲコゲの上にズボンが片方ひざ下が無い、その上靴も片方無いときた。王都を出る時も見ていたらしく、半日も立たずにこんな格好になったことに不信感しかなかったようだが、不慮の事故が起きたと主張し続けたら理解してもらえた。


服に関しては、まあ有るか無いかと言えば有るんだが、元の世界の服装なんて完全に浮きそうなので出来るだけ着たくない。悪目だちなんて好きじゃないのさ。


ついでに今の服をアイテムボックスに戻して再装備してみたところ、元のままだった。ドラゴン切っても刃こぼれ一つない銅の剣に比べて根性が足りない。


「金は有るんだろ?じゃあ服買ってきてやるから。」

「あざっす。」


明らかに呆れ顔の門番さんだが、実は面倒見の良いいい人「全く、書類仕事とか手続きとか面倒臭いんだから、服買ってきて無かったことにすっかんな。」ただの面倒臭がりだったでござる。


というわけで新しい服(前とほとんど変わらない気がする)を装備して、ギルドに向かう。


ギルドに入り、依頼の達成報告ってことでカードを渡すと、受付の人の顔がだんだんと青ざめてきて、ちょっとお待ちくださいと言って奥の方に行ってしまった。


ドラゴン以外にはせいぜい数十匹しか討伐していないのに大げさだと思いつつ待っていると、ギルドの奥からさっきの受付とお爺さんが出て来た。


やたらごつくて、白髪とフサフサの髭がなければおじさんに見えないこともないので、おじいちゃんってよりもお爺さんだな。


「ふむ、こうも若いのがあれだけのものをのぅ。……しかし、ギルドカードの改竄なんぞ聞いた試しがないしの、恐らく本当なんじゃろうなぁ。」

「しかしっ、ギルドマスター!」

「うむ、ワシが見た限りでは普通の人間なんじゃがのぅ、これだけやって普通の人間とは……それにこれまで知られておらんかったわけだしのぅ。」


何だか話しているが、あれはわざと聞かせているのか、隠すつもりなのか分からないな。それに俺は普通の人間だろ、どっからどう見ても。


「何の話かは知らないけど、報酬は貰えるのかな?」

「おぉ、すまんの。ワシとしてはそんなことはないと思うんじゃが、実は人間の皮を被った化物じゃったりせんかの?」

「質問に質問で……まあ、俺は自分が超普通の人間だと思ってるよ?」

「あれを倒せるそんな姿の人間なんているわけ「そうかい、ならええよ。」マスター?」


今度は本格的にコソコソとこっちに聞こえないように話し出した。最初はでもとかしかしとか聞こえたけど、お爺さんが何か言った後は真っ青になって聞こえる声では喋らなくなった。


「では報酬じゃが、やたらと量が多くての、ちょっとまっとってくれるかの?」

「まあそこまで急ぎのようもないっちゃないし、良いよ。」


どうやら無事に金はもらえるようだ。にしても、何で受付の人は震えてるんだろうな?

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